約 8,534 件
https://w.atwiki.jp/nekonade/pages/24.html
『Hello Word Hello World』 「4日目、ギズモと公園へ」にて、言葉を覚えたギズモに対して樹が用いた言葉。 『世界』は『人の脳』が造り出したもの。 そして、『ただの脳』を『人の脳』にするのが『言葉』である。 ギズモは言葉を覚えた瞬間、はじめて『世界』が世界であることを知る。 言葉と認識が結びついたとき、ギズモの世界は生まれるのだ。 『歴史が私にどんな関係があろう。私の世界こそが、最初にして唯一の世界なのだ』 「4日目、new word」にて、ギズモが見ているモノは自分と『同じ』なのだろうか? という樹の疑問に対して、琴子が言った言葉。 『同じ』ものなどなく、樹、琴子、ギズモはそれぞれ別のものを見ている。 自分の見ている世界は、自分にしか見えないたったひとつのもの。 同じ世界で生きているという認識は、『言葉』があってはじめて生まれる。 『言葉』による認識の共有が、2つの世界を『同じ世界』に見せかけている。 私たちは『言葉』が生み出したひとつの世界に住んでいるのだ。 引用元はウィトゲンシュタイン『草稿』 『存在することは知覚されることである』 琴子ルート「父の観た世界」にて、もうひとつの人生の電卓の日記に書かれていた言葉。 誰もいない森の中で木が倒れたら、音はでるのだろうか?でないのだろうか? 結論を言うと、誰にも観測できないものは『無い』ものと同じなのだ。 アイルランド、キルケニーの哲学者ジョージ・バークリーは、この言葉を用いて 物体という実体の存在を否定しようとした。 『この言は太初に神とともに在り、萬の物これに由りて成り、成りたる物に一つとして之によらで成りたるはなし』 琴子ルート「父の観た世界」にて、もうひとつの人生の電卓の日記に書かれていた言葉。 ヨハネ曰く、言葉は神である。神は言葉で意味を与える事により、世界は生まれた。 全てのものはこれによって生まれ、それによらないものは一切ないのである。 引用元は『ヨハネによる福音書』 『『世界』は重なり合ってるの。きっと、私の世界と兄さんの世界も……』 琴子ルート「家族」にて、初詣に出かけた際琴子が言った言葉。 我々は、誰もが同じ世界を観ていて、また同時に自分にしか見えない世界を観ている。 そんな自分達が数えきれない程いて、水面に生まれた波が重なるように干渉し合う。 しかし自分の存在、そして相手の存在も互いの『クオリア』を求め合うことで、 揺らぐことのない、ずっと一緒にいられる世界を創ることができる。 樹が琴子を観ている限り、琴子は永遠に存在し、琴子が樹を観ている限り、琴子を観ている樹は永遠に存在するのである。
https://w.atwiki.jp/i0ol/pages/21.html
SMEE 公式 http //www.hook-net.jp/smee/ 晴れハレはーれむ 発売日 08/07/11 公式 http //www.hook-net.jp/smee/harehare/index.html getchu http //www.getchu.com/soft.phtml?id=530225 シナリオ 久地マコト 卑語 卑語修正 CQ 最大深度 シーン数 認識 グロ その他 32 :名無したちの午後:2008/10/27(月) 23 28 14 ID F1ilxOF+0 リストだけじゃ伸びないし、感想とか書いていこうかな。 【晴れはれハーレム】詳細 ttp //www.getchu.com/soft.phtml?id=530225 イベント絵はナカナカいいんだけど、立ち絵でちょっと「えー(゚д゚)」なのがいくつか。 テキストは悪くない…程度で良いとは言えない(言葉のバリエーションが貧困っつーか、似たような言い回しが多い。 音楽は壊滅的にダメ! 特にエロシーンBGMはイヤガラセなんじゃないかと疑うくらいに; 攻略キャラは4+1 回想が4×5シーン プラス1キャラである委員長は子宮姦どころか外出しなんで論外(゚д゚) 内訳は 幼馴染:秋山 琴子 1なし 2「子宮をこじ開けた」で0距離射精 3僕の先端は琴子の最奥を突き破り、直接、子宮内に達していた。 肉棒がのたうち回り、子宮の中に熱い精を直接注ぎ込んでいく… 4琴子の一番奥で口を閉じていた子宮口を何度もノックし、先端で無理矢理こじあける。 まるで破城槌で城門を破壊するがごとく、何度もソレを打ち付ける。 力強く、激しく、何度も何度も琴子の一番奥にある城門に叩きつける。 強烈な放出感に襲われた瞬間、僕は琴子に渾身の一撃を見舞い、「城門」を打ち砕いた。 琴子の絶叫と同時に、僕は大量の精液を琴子の子宮内に直接吐き出した。 ソレは琴子の中で何度も痙攣し、そのたびに熱い粘液を噴出し、琴子の一番深いところに注ぎ込んでいく… 5なし 金髪ツインお嬢様:小松川 ありす 1・2・3・4なし(※Wiki掲載時修正 1に零距離がありました) 5肉棒が子宮口を突き破り、同時に猛烈な勢いの射精が始まった。 王女の最奥で肉棒は脈動を続け、王女の胎内の直接熱い精を流し込んでいく… 33 :名無したちの午後:2008/10/27(月) 23 28 49 ID F1ilxOF+0 空回り大和撫子:綾小路 葛葉(充実してるw 1台詞のみ「はしたなくも、私の…その、子宮が…明広(主人公)様の子種を欲しがっているのですわ…」 2なし 3肉棒の先端が子宮口を無理矢理こじ開け、亀頭を子宮内にねじ込み、そして… 4先端が、葛葉さんの子宮口をこじ開け、子宮の内部を抉り込む。 同時に葛葉さんが絶叫し…僕は子宮内に直接、灼熱の怒涛を放出した。 5僕は渾身の突きを加え、葛葉さんの際奥にあった子宮口を無理矢理こじ開けた。 (…とあるけど、これは0距離射精みたい) 巨乳クール:野々村香澄は子宮関係なし(´・ω・`)ショポーン 一番(*´д`*)ハァハァと来たのは琴子の4番目っ でも「打ち砕いた」じゃなくて「打ち抜いた」ならもっと良かったなぁ。 34 :名無したちの午後:2008/10/28(火) 00 50 36 ID 8zz/EL+q0 晴れハレは、子宮内に入った描写こそあれ、 相手側がほとんどその事について言わないのが勿体無いな 35 :名無したちの午後:2008/10/28(火) 14 59 54 ID nFD/jEKy0 ≫32-33 気合入りすぎだろw でも俺の記憶では、ありすの初回に「子宮内に直接打ち込む」的な描写があったような気がする。-
https://w.atwiki.jp/tokimekicn/pages/1867.html
I hate cold weather 最讨厌冷了!【寒いの嫌!】 『2』的角色水无月琴子的个人事件之一。 琴子的评价在友好以上的情况下,第1年的12月1日自动发生。 简介 然而,这事件是琴子最难触发的特殊事件。 因为该事件仅限这一天才会发生,按照普通的玩法,琴子的评价很难达到友好。 玩家要注重约会和数值两手抓两手都要硬。 更详细的攻略提示可参看本站的琴子攻略。 相关页面 活动•特殊事件 攻略•水无月琴子
https://w.atwiki.jp/kyogokurowa/pages/296.html
「すみませんブチャラティさん...」 「いいっていいって。君もだいぶお疲れなんでしょ?これくらい手伝わせてよ」 申し訳なさげに俯くあかりに対して、ドッピオは陽気な声音で返す。 最初こそはあかりが琴子の車椅子を押していたのだが、疲労が溜まっているのを見かねたドッピオがこれくらいなら僕がやるよと申し出て交代。 いまは、あかりが先行しドッピオと琴子が後に続いている。 (...やはり侮れませんね、彼) だが、一方で琴子の目には、現状が善意によるものではなく全く別の形に映っていた。 車椅子を押している人間は両手を塞がれ身動きも取りづらい。 だから動ける者がカバーして護ってやらなければ———そういう心理が働きやすい。 特に、他者を傷つけるのをよしとしないあかりがそう考えるのは至極当然の流れであり。 先行しながら進まなければいけない、所謂、尖兵のような立場になったあかりは車椅子を押す彼よりも気を張り、かえって疲労も溜まりやすくなる。 加えて、『ブチャラティ』の立ち位置も絶妙だ。 先行するあかりはもちろん、車椅子に乗っている自分も簡易的な盾としては有効な位置にいる。 襲撃時、あかりが抜かれた時に車椅子を押し飛ばして敵にぶつければ数秒は時間稼ぎできるし、しゃがみ込めば銃撃に対する肉壁にもできる。 かといってそこを指摘するにも、じゃあ動けない琴子をどうするかという問題に当たってしまう。 それに、もしも純粋な善意のみで車椅子を押しているとみなされた場合、あかりからもドッピオからも不信を招き、少なくともこの三人の中では発言権は不利に傾いてしまうだろう。 (まあ、メアリさんを内包したんです。これくらいのリスクは容認するべきでしょうね) いまのところ他者を害する素振りのない『ブチャラティ』とは違い、メアリは目的さえ果たせば敵対すると明言までしてきた。 彼女を受け入れて『ブチャラティ』だけは除く、なんて道理はまかり通らないだろう。 (まあ、彼の処遇について決めるのはいまではない...私たちがいま考えるべきは...) 「ブチャラティさん、あかりさん。少し足を止めてもらってもいいですか」 琴子のその言葉に二人は思わず足を止める。 「え?」 「どうしました?」 「少し考えたいことがありまして」 「それなら遺跡に着いてからの方がいいんじゃない?」 「遺跡まではまだ距離があります。まあ、ブチャラティさんの言う通り可能ならば放送の後に話し合うべきなのでしょうが...なにが起こるか、わかりませんから」 「あっ...」 琴子の遠回しな言及の意味を二人は察する。 放送は確かに情報を手に入れるのに必要な時間だ。 だが、齎されたもの全てが有効であるとは限らない。 (もしもブチャラティの名前が呼ばれたら情報を整理するどころじゃないもんね...この二人も殺さなくちゃいけなくなるかもだし) (アリア先輩...大丈夫ですよね?) 自分たちは人間だ。 例えば死者の名で、あるいは禁止エリアの場所で、あるいは主催の女の言葉で感情を著しく乱してしまうかもしれない。 そうなれば考察どころではないだろう。 「竜馬さんたちがいる時に話さなかったのはなんでですか?」 「彼らをあまり引き留めているとこちらにも火が降りかかりそうでしたから」 「ああ、そういうこと...」 もしも琴子があれ以上二人を引き留めていたら、特にメアリはあの場で猛反発してきたであろうことはあかりもドッピオも容易く想像できた。 だから、彼らが向かった後に話を切り出したのだ。 琴子は、これからの指針や首輪に関して以外に知らなければならないことがあると思っている。 それはいまの自分たちや先ほどまで共にいた竜馬、神隼人やクオンたち、あかりの知り合いの方のアリアら所謂『対主催』達には必須な事項だ。 自分たちが首輪を外した先にある、例えるなら主催側の心臓部とも言えよう。 「ブチャラティさん、あかりさん。先ほども触れましたが、私はリュージさんや隼人さんたち、それに夾竹桃たちと共に電車を修復するμと一戦交えました」 琴子は一旦言葉を切り、ここで主題を筆談に切り替える。 『私が考えたいのは主催の潜伏先です』 琴子の求める解。それは、主催の面々の居場所である。 たとえば、このまま順当に首輪の解析が進み、全員の首輪を外して殺し合いを止めたとする。 だがそれだけではこの事件の解決には至らない。 もしもそのまま主催が生存者たちの前に現れなければ、あるいは主催を探し出すことができなければ、主催と戦うことも交渉することもできずこの世界に閉じ込められ続けることになる。 最初の内は良くても、食糧が切れればその時点で奪い合いという名のバトルロワイアルが始まってしまう。 だから琴子は今の内に主催の居場所を掴むヒントを集める為にこの話を切り出したのだ。 直接つながることは無くてもいい。 似たような事例を知っている、主催の連中の中に知り合いがいる、関わりのない第三者の視点からの考えも聞く。 なにかの足掛けになる可能性が微かにでもあるのなら、情報を集めるのは当然だ。 「まずはあの時に起きたことを整理しましょう。 ①μは空から駅まで降りてきた。 ②『リック』という青年はμの歌によりその姿形を変化させた。 ③先ほどまではなにもなかった場所に突如罠が生えてきた。 ④主催側には、リックという青年、二丁拳銃を操る骸骨マスクの人間、全身が黄土色のラバースーツに包まれた男がいる」 「え?」 これらの事象になにか心当たりはないかを尋ねようとした琴子よりも先に声を漏らしたのは『ブチャラティ』だ。 「どうしたんですか?」 「い、いやあ、護衛が三人もいるなんて思わなかったからさぁ、うん」 彼があからさまに動揺しているのは言われずともわかる。 「ブチャラティさん、なn」 「あかりさん、ブチャラティさん。これらについてなにか心当たりはありますか?」 なにか心当たりがあったのか、と尋ねようとするあかりに先んじて琴子が『二人』に問いかける。 琴子とて、『ブチャラティ』がなにかを隠したのはわかっている。 しかし、いまはなにも事を起こしていないものの、頑なに『ブチャラティ』であろうとする以上、彼はクロ寄りのグレー。 下手な追及は自らの首を絞めることになる可能性があるため、敢えて二人に問いかけることで『ブチャラティ』への疑念をぼやかした。 「えと、罠についてなんですけど、もしかしたら最初からあったのに気づいていなかったとか、一度目は不発だったとかは?」 「ふむ。まあありえますね。私はその場にいませんでしたが、時と場合によっては己の認識が歪んでいた、という事例は往々にしてありますし、罠にしても高性能でなければ誤作動も不発も想定できます。あかりさんはそういう実践的な不確定要素も考慮に入れるべき、と」 「μの歌っていうのは、人の姿を変えることができるのかい?」 「ええ。私の同行者でμを知る者からは、相手の望んだ姿や能力を与えていたという前例があると聞かされています」 『ブチャラティ』と琴子が質疑を交わす傍で、あかりはう~ん、と悩みつつ頑張って考えを浮かばせようとする。 彼女とて、一応は武偵だ。 どんな怪しい事件があるかはそれなりに知識として識っている。 だからどうにか知識の面で琴子を補助できれば、と思いつつも中々考えが浮かばない。 当然だ。 なんせ、現場の検証もなければ証拠は第三者からの提供のみ。 あまりにも情報が不足している中で根拠のある解答を示せというのも難しい話だ。 (考えなくちゃ。考えなくちゃ...!) あかりが必死に脳細胞を働かせるも時間は有限で現実は無情である。 『参加者の皆様方、ご機嫌よう』 結局、さほど進展がないままに放送の時は訪れてしまった。 そして、この放送が流れる前に情報を整理できてよかったと『ドッピオ』は思った。 ☆ ———♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪~♪♪♪♪♪♪♪~♪♪♪♪♪♪♪♪~♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪~ 流れ始める歌と共にわたしの膝ががくりと崩れ落ちる。 ———♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪~♪♪♪♪♪♪♪♪~♪♪♪♪♪♪♪♪♪~ 高千穂さん達との勝負に勝った時、お祝いをしてくれた志乃ちゃんの笑顔が、わたしの事を心から案じて叱ってくれたアリア先輩の顔が脳裏を過っていく。 そのどれもがかけがえのない思い出だ。 ———♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪~♪♪♪♪♪♪♪~♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪~ そのどれもが紅く塗りつぶされていく。 間宮の家をイ・ウーの面々に襲撃された時の業火に。 魔王や琵琶坂さんにぶちまけられた血だまりに。 私の中のモノが紅く朱く穢されていく。 ———♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪~♪♪♪♪~♪♪♪♪♪♪~♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪~♪♪♪♪♪♪♪♪♪~ ミカヅチさんはわたしにお礼を言ってくれた。 高千穂さんは武偵のままのわたしが好きだと言ってくれた。 カタリナさんは護れなかったわたしに微笑み幸せだったと言ってくれた。 アンジュさんや志乃ちゃん、大勢の人たちが死にかけていたわたしの背中を押して、引き上げてくれた。 でも。 その全てを否定するかのように際限なくドス黒い感情が湧きあがってくる。 ———♪♪♪♪♪♪♪♪~♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪~ 大切な者たちの仇を取れ。 奪った奴らを殺せ。 これ以上奪われる前に奪え。 日常を護りたいなら、その手で心の臓腑を抉り取れ。 ———♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪~♪♪~♪♪♪♪♪♪~♪♪♪♪♪♪~♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪~ 【『武偵』であり続けることと、誰かを護ること...二者択一だった場合、どちらを採りたいんだい?】 よりにもよって、あの琵琶坂さんの問いかけてきた言葉が頭の中を駆け巡ってくる。 答えを出したつもりだった。納得したつもりだった。 けれど、それは運よくみんなが肯定してくれたから正しい道を歩んでいると思いたかっただけだ。 高千穂さんが、志乃ちゃんが、アリア先輩が、アンジュさんが、ミカヅチさんが、絹旗さんが、ココポが、冨岡さんが、カタリナさんが命を落として。 メアリさんのように涙を流す人を目の前で生み出して。 そしていまも魔王や琵琶坂さんたちが犠牲者を生み出しているのなら。 この有様が本当に正しい道なのかな。 違う道を選んでいたら、もっと別の結果になっていたんじゃないかな。 一番しっかりしないといけないくせに、全身が震えて涙を流しす弱いわたしには、未だに答えなんて出ていやしなかった。 ☆ 「あかりさん...」 泣きながら膝に頭を埋めてくるあかりに、琴子はどうすることもできなかった。 先ほどは立ち止まるわけにはいかないと前を向かせたが、いま、この状況でそんな言葉はかけられない。 これが大人の警察官やら軍人やら、人の生死に殉職も想定されている職種の者たち相手ならばそんな言葉を駆けただろうが、あかりはまだ学生。 いくら武偵という荒事に慣れた人種とはいえ、年齢でいえば琴子よりも下だ。 そんな子に戦闘を一切合切任せ、それでも前を向けと宣えるほど琴子は薄情ではない。 彼女がどれほど戦ってきた。 彼女がどれほどの悲しみと向き合ってきた。 負担をかけすぎている。 いまの自分にできることは、せいぜい、感情を思うがままに発散させてやることくらいだ。 「...琴子ちゃん、あかりちゃんを頼めるかい?」 「ブチャラティさん?」 「このまま遺跡を目指すのは酷だよ。僕が遺跡に先行してくる」 言いながら、『ブチャラティ』はあかりを背負い、傍にあった身を隠せるほどの岩場まで琴子の車椅子を押していく。 「ここなら僕が戻るまで身を隠しやすいだろう?」 「...そうですね」 琴子としては、ここで座して待つのは勘弁願いたいが、現状を顧みれば仕方ないとも思っている。 ここまでの道程はあかりが琴子と『ブチャラティ』を護れること前提で成り立っている。 しかし、あかりがこの有様ではそれが崩壊してしまう。 それならば、あかりを背負い『ブチャラティ』が琴子の車椅子を押すという全滅待ったなしの進行をするよりは、分散して全滅回避のリスクを取った方がいい。 「すみません、お願いします」 「わかった。遺跡に着いたら長居せず戻ってくるよ」 遠ざかっていく背中を見つめながら、ふぅ、と琴子は息を吐く。 もしも『ブチャラティ』が刃物の一本でも持って襲い掛かってきたら、現状ではあかりも自分も抵抗できずに殺されていただろう。 それをしなかったのは、単に思いつかなかったのか、利用価値がまだあると思ってくれているのか、あるいは本当にみんなで脱出しようと考えているのか。 (なんにせよ綱渡り、ですね) 妖怪変化魑魅魍魎共の知恵の神となって長らくなるが、ここまで死線を運で回避している事態は初めてかもしれない。 初めての緊張感と死への嫌悪感に、微かに指は震え、そしてなんだか、無性に九朗先輩に会いたいと思わずにはいられなかった。 【E-3/夜/一日目】 【間宮あかり@緋弾のアリアAA】 [状態]:覚醒、白髪化、痛覚が鈍くなっている、体温低下、情報の乖離撹拌(進行度31%)、全身のダメージ(大)、精神疲労(中)、疲労(絶大)、左中指負傷(縦に切断、包帯が巻かれている)、深すぎる悲しみ。 [服装]:いつもの武偵校制服(破損・中) [装備]:スターム・ルガー・スーパーレッドホーク@緋弾のアリアAA [道具]:基本支給品一色、不明支給品2つ [思考] 基本:テミスは許してはおけない。 0:...ごめんなさい、いまだけは... 1:動けるようになったら岩永さんと一緒に遺跡を目指す 2:ヴライ、マロロ、琵琶坂、魔王ベルセリア、夾竹桃を警戒。もう誰も死んでほしくない 3:『オスティナートの楽士』と鎧塚みぞれを警戒。 4:もし会えたらカナメさんに、シュカさんの言葉を伝えないと 5:メアリさんと敵対することになったら……。 [備考] ※アニメ第10話、ののかが倒れた直後からの参戦です ※覚醒したことによりシアリーズを大本とする炎の聖隷力及び「風を操る程度の能力」及びシュカの異能『荊棘の女王(クイーンオブソーン)』、そして土属性の魔術を習得しました。 ※情報の乖離撹拌が始まっており。このまま行けば彼女は確実に命を落とします。 【岩永琴子@虚構推理】 [状態]:健康、新たなる決意、無意識下での九郎との死別への恐れ、義足損壊、車椅子搭乗中 [服装]:いつもの服、義眼 [装備]:赤林海月の杖@デュラララ!! [道具]:基本支給品、文房具(消費:小)@ドラゴンクエストビルダーズ2、ランダム支給品1(岩永琴子確認済み) 、ポルナレフの車椅子(ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風) [思考] 基本:このゲームの解決を目指す。 0:あかりさんが動けるようになってから『ブチャラティ』の後を追う。 1:『ブチャラティ』を騙る青年(ドッピオ)を警戒。 2:魔王と琵琶坂永至、あの二人をどうにかする方法は…… 3:あかりさん、貴方は…… 4:九郎先輩との合流は…… 5:紗季さん…… 6:首輪の解析も必要です、可能ならサンプルが欲しいですが…… 7:オスティナートの楽士から話を聞きたいですね [備考] ※参戦時期は鋼人七瀬事件解決以降です。 ※アリアから彼女が呼ばれた時点までのカリギュラ世界の話を聞きました。 ※この殺し合いに桜川六花が関与している可能性を疑っています。 ただし、現状その可能性は少ないと思っています。 ※リュージからダーウィンズゲームのことを知っている範囲で聞きました。 ※夾竹桃・ビルド・隼人・リュージ・アリアと共に【鬼滅の刃、虚構推理、緋弾のアリア、ドラゴンクエストビルダーズ2、新ゲッターロボ、ダーウィンズゲーム、東方Project、とある魔術の禁書目録、スタンド能力、うたわれるもの、Caligula】の世界観について大まかな情報を共有しました。 ※今の自分を【本物ではない可能性】、また、【被検体とされた人間は自ら望んだ者たちである】と考えています。 ※カタリナとあかりのこれまでの経緯を聞きました。 ※琴子、あかり、ドッピオ、メアリ、竜馬の五人でこれまでの経緯と、生存者についての情報を交換しました。 ☆ 「とおるるるる とぉおるるるるるる」 あかりと琴子が見えなくなった辺りで、ドッピオはそう口ずさむ。 やっぱりだ。 そろそろボスが電話をかけてきてくれると思っていた。電話に出る姿は誰にも見られるわけにはいかない。 だから、多少の危険は被っても一人で先行してきたのだ。 「とおるるるるる とおおぉるるるるるる」 ドッピオはキョロキョロと地面を見回し、『電話』の場所を探す。 「あった...とおるるるるる、この辺りならあると思ってたよ。ガチャリ」 ドッピオは落ちていた木の葉を拾い、そのまま耳に押し付けた。 『ドッピオ...聞こえるか、ドッピオ』 「大丈夫です、ボス。聞こえてます。お伝えしたいことがあります。我々を裏切り、『セッコ』が主催の側にいるようです」 琴子の言った主催の一味。その中にいた黄土色のラバースーツを全身に纏った男。 その人物像は、ドッピオの中で真っ先に『セッコ』に当てはまっていた。 そしてセッコに当てはまれば、罠の件にも説明がつく。 主催へ襲撃を駆けた面々は確かに間違っておらず、罠も誤作動をおこしていないなら答えは簡単だ。 セッコは土の中を自由に泳げ、軟化も自在にできる。 主催との戦いの時にいた面々がμに集中している隙に足元に罠を仕掛けることも容易くできるし、音もなく味方を地上に出現させることも可能だろう。 罠の発動タイミングは足で踏むことが条件でなければ、セッコが土の中でスイッチを押して好きなタイミングで作動させることもできる。 『...そうか。よくわからんやつではあったが、そんなことになっていたか』 「ええ。そして、その...岩永琴子の知りたがっていた連中の居場所なんですが、恐らくは———」 『ああ。セッコを擁しているということはほぼ間違いないだろう』 「『奴らの根城は地下にある』」 ドッピオと『ディアボロ』の結論が一致した。 『わざわざ扱いに困りそうなセッコを懐に入れるくらいだ。間違いなく奴らは地下に重きを置いている』 「仮に本部じゃないとしても、なにかしらの手がかりがある可能性はありそうですよね」 主催を倒すにしても強請るにしても、あるいは奴らに取り入るにしても、奴らの心臓部を抑えられれば此方が有利に立ち回れる。 これは、唯一セッコの能力を把握していた麦野が情報交換の際に立ち会えなかった為に、琴子ではたどり着けなかった解である。 「しかし、地下に干渉できる方法があるとすれば...」 『...私の知る限りでは、地下への干渉に優れている能力者は一人しかいない』 気乗りしない声音でそう語る『ディアボロ』の言葉に、ドッピオの喉がゴクリと鳴る。 『奴の能力は容易く地面を割き、息さえ続けばどこまでも潜ることができる』 誰の名前が出るかはわかりきっている。 だからこそ、覚悟しなければならない。 なんせその名前が出るということは、ドッピオがこれまでしてきたことを否定するのと同義なのだから。 『『ブローノ・ブチャラティ』...奴を殺さず、利用して地下に潜ることも考えるべきかもしれんな』 【E-3/夜/一日目】 【ドッピオ(ディアボロ)@ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風】 [状態]:健康、ドッピオの人格が表 [服装]:普段の服装 [装備]:小型小銃@現地調達品 王の首輪@オリジナル [道具]:不明支給品0~1、アップルグミ×3@テイルズオブベルセリア [思考] 基本:生き残る。手段は問わない。 0 :先に遺跡に向かい、後で琴子たちと合流する。 1 :無力な一般人を装いつつ、参加者を利用していく 2 :琴子を警戒。邪魔になりそうなら…… 3 :オシュトルへの首輪提供のため、参加者を殺害してのサンプル回収も視野に入れる 4 :『月彦』を警戒。再合流後も用心は怠らない。偽名を使うだなんてけしからん奴だ 5 :ブチャラティは確実に始末する。...と言いたかったが、地下を調べるために利用するべきか? 6 :なるべく目立たないように立ち回り、優勝しか手段が無くなっても構わないよう、殺せる者は密かに殺していく。 7 :自分の正体を知ろうとする者は排除する。 8 :ゲッターロボ、もしもあのままランクを上げ続けてたら...ゾオ~ッ 9 :グミは複数あるけど内緒にしておこう。 10 :もし認識がスタンドに影響を及ぼすならば……? [備考] ※参戦時期はアバッキオ殺害後です。 ※偽名として『ブローノ・ブチャラティ』を名乗っています。 ※オシュトルからうたわれ世界の成り立ちについて、聞かされました。 ※アップルグミの回復は健在ですが欠損や毒などは回復しません。 また3つあることは伝えていません。 ※早苗、霊夢、カナメ、竜馬と情報交換してます。 ※琴子、あかり、ドッピオ、メアリ、竜馬の五人でこれまでの経緯と、生存者についての情報を交換しました。 ※主催の潜伏地が地下にあると睨んでいます。 前話 次話 閉じ込められた方舟の中で 投下順 導火線に火をくべろ 前話 キャラクター 次話 明日を信じて 岩永琴子 Cold War 明日を信じて- 間宮あかり Cold War 明日を信じて ディアボロ 追跡セヨ -夜宵のNext Order-
https://w.atwiki.jp/tokimekicn/pages/765.html
Undelicious Tea 粗茶淡饭【难攻不落奥义•天城雪子料理,要试试看么】 『2』中水无月琴子战斗时使用的奥义。 简介 发动奥义后,琴子飞奔过去为敌人准备茶点, 敌人喝了茶之后,两回合之内无法行动,任人宰割。 此奥义不仅对不良少年有效,连巨大化后的总番长都会100%生效,且可以使总番长在无法行动的期间变回普通的大小, 如此一来,主人公对巨大化的总番长无效的奥义也可以在这段时间使用了。 辅助系的奥义中,琴子的奥义毫无疑问是最强的,不过琴子的MP(容姿)较为低下,很容易陷入无魔的状态, 琴子的运动数值极低,物理攻击极弱,不良少年战时普通攻击经常会造成0伤害。 可以说,她除了在旁边放奥义,完全没有任何用途。 当然,她比寿美幸和白雪真帆这种会妨碍主人公的女生相比,简直好太多了。 打工番长会表示「我不喝抹茶的」,此奥义自然对她无效。 相关页面 社团•爱好•战斗 水无月琴子
https://w.atwiki.jp/tokimekicn/pages/520.html
攻略•MRO【科乐美对NTR的执着恶意突破天际】 游戏初期的选择路线方式跟『Leaping School Festival』相同, 不过之后的选项分为了多种路线,详细说明如下: 水无月琴子 「光和纯在操场~」→之后选择「说实话,我很受打击~」即进入「光•琴子路线」 阳之下光 「我的书包里的秘密~」→之后选择「果然还是想聊聊~」→「舒服多了」即进入「佐仓枫子路线」 麻生华澄 「水无月和光~」→之后选择「其实~」→「就是华澄老师你~」即进入华澄路线 总之对于4名女主角,每天存个档,只要出现Bad Ending就读档重来即可。 至于过程中的其他选项,选择示好的即可,光和琴子在练习制作甜点时,即使毒舌贬低,她们的评价也会上升,女人真是不可理喻…… 包括女主角在内,所有的人物结局均只有一种, 唯独琴子受到了特殊照顾,她的结局分为『琴子路线』和『光•琴子路线』两种, 进入『光•琴子路线』之后,以攻略琴子为目标进行各种选择将会更有效率。 此外,『光•琴子路线』中小游戏的结果会影响到结局,要多加注意。 台球的难度高的相当夸张,建议玩家选择保龄球为好。 即使和女生的分数相同,也视为主人公的胜利。 各支线人物的结局触发流程如下,部分选项不按照此流程选择可能也不会有太大问题。 九段下舞佳 华澄路线中「我该怎么办啊~」→「别思前想后的了~」→「明天啊~」→「电影院」→「换个心情~」→ 「华澄老师~」→「那个人是~」→「马上~」→「不是这样的~」→ 「总之去试试看吧」→「我们随便转转~」→「…可是,怎么办~」 野咲堇 本作开始时,所读取的记忆卡内有心跳回忆2正篇中堇的通关存档。 华澄路线中的回忆之3时,选择「总之水无月同学的~」→「不不,完全不是」→「没人可约啊•••」→「不,有的!!」 藤崎诗织 一直选择最上面的选项即可 馆林见晴 光路线中选择「安慰她」→「和光同一所大学」→「罐头?」或「储备粮?」→ 「也不错嘛!」→「挺不错的」→「才能~」→「那好吧」→「保龄」→ 「我不算很忙啦」→「恩,挺适合的~」or「感觉~」→「静观结果」→「神户小姐的~」 其他人物流程如下: 寿美幸•赤井焰•伊集院梅 光路线的「回忆之1」中选择「啊,首先~」→「回忆之4」中选择「果然还是在家吃吧」 一文字茜•白雪美帆•白雪真帆•八重花樱梨 华澄路线导入部时选择「其实~」→「这个~」→「啊,首先~」 最后在「回忆之1」中选择「我该怎么办啊~」→「就这样吧~」 相关页面 Memories Ringing On SubStories篇
https://w.atwiki.jp/bakiss/pages/587.html
陽ノ下光、ひびきの高校新入生。ひびきの高校へと、足を弾ませて進む。 可愛らしかった少女は、誰もが振り向くような美少女に成長していた。 長かった髪は、ショートカットになって。泣き虫も、治って。けれど、変わらないもの。 太陽みたいな笑顔と―――制服の上から羽織った、彼が最後にくれた、学ラン。成長した今でもサイズが合わなくて、 袖を盛大に捲り、裾を地面に引き摺らせながら、それでも肌身離さず身に付けている。 「光、あなた…まだ、その汚い学ラン着てるの?」 「汚いは余計だよ、琴子~」 ぶーたれる光に、隣を歩く親友―――水無月琴子(みなづきことこ)は、溜息を吐いた。長い髪に広いおデコ、少々 きつい感じはあるが、中々魅力的な和風美人だ。 「もう忘れたら?7年も帰ってこないんでしょ?」 「忘れられないよ…」 光は、寂しそうに笑った。 「あきらちゃんのこと…忘れられるわけないよ…」 ま、確かにね、と琴子は呟いた。光の幼馴染―――金剛晄。以前、写真でだけだが、見せてもらったことがある。 絶句した。次に、質問した。 「えと…その、あなたと同い年の男の子…当時小学2年生よね?」 「そうだよ?」 「…その…霊長類かどうかも怪しい学ラン男が写ってるんだけど…」 「うん、それがあきらちゃん」 「…………」 写真を見たら<何だかパッとしない男ねえ>とでも言ってやろうと思っていた琴子の目論みは、人の夢のように あっさり砕け散った。どこをどう見ても、この漢はインパクトがありすぎた。 「ま、それはいいけれど…中学の頃みたいに暴れ回るのは勘弁よ?」 「あはは。もう、やだなあ、琴子ったら。まるで私が暴れん坊みたいじゃない」 「あなた、自分を暴れん坊じゃないと思ってたの!?」 「うわ、本気で驚かれた!?」 「そりゃ、驚くわよ…」 琴子は中学時代を思い出し、深い溜息を吐く。 一緒に海に行った時は、ナンパ目的のサーファーたちを悉くぶちのめし、流血による赤潮が発生した。 お花見に行った時は、酔っ払い共を千切っては投げ千切っては投げ、桜の花びらが血反吐で紅く染まった。 ついにはひびきのを統括する番長軍団―――筋肉番長・火の玉番長・木枯らし番長・バイト番長、そして最強の番長で ある総番長すらも叩き伏せ、名実共に天下無敵の女の子・ひびきの最強の生命体となった。 とにもかくにも陽ノ下光の往くところ、バイオレンスの嵐が吹き荒れ、全ては流血で真紅と化す―――故に。 ついた仇名が<紅蓮番長>陽ノ下光―――である。 そんなこの親友の所業に巻き込まれるごとに、自分のおでこは広くなった。抜け毛の量も目に見えて増え、うら若き 乙女だというのに養毛剤とワカメが手放せなくなった。 「ところで琴子、知ってる?ひびきの高校の伝説の鐘」 苦い時代を思い出している琴子に、光は笑いかけながら訊く。 「ちょっとは聞いたことあるけれど…どんなのだったかしら?」 へへー、と光は笑って、得意げに琴子に説明する。 「卒業式の日、伝説の鐘の鳴り響く中、拳を交わす事で己の全てをぶつけ合ったカップルは、永遠に幸せになれる」 「…………そんな暴力の匂いがプンプンする伝説だったかしら」 「気にしない、気にしない」 気にするわ。琴子はまたしても溜息を吐いた。光と一緒にいると、抜け毛と溜息ばかりだ。けれど。 (それでも、この子と縁を切ろうとは思えないのよね…) そう。とんでもない常識外れで、暴走しまくる女の子だけど―――誰よりも健気で。本当は友達思いで。心優しい。 サーファーや酔っ払いをぶっ飛ばしたのは、琴子がそいつらにしつこく絡まれたからで。 番長たちを打ち倒したのも、彼らの一派が町の治安を悪くしてしまっていたからで。 いつだって彼女は―――他人のためにだけ、拳を振るう。それが、彼女の信じるスジだというように。 そんな光は、琴子にとって―――誰にも恥じることのない、親友なのだ。 そうこうしているうちに、ひびきの高校の門をくぐり、敷地内へと入っていく。周りにはこれから始まる高校生活への 期待や不安で胸を一杯にした新入生たちが、頬を心なしか紅潮させて歩いている。 中には光と琴子を指差してヒソヒソ話している連中もいた。 「なんだか私たちを見て何か言ってるね。えへへ…きっと私たちが可愛いからだね!」 冗談っぱく光は言うが、琴子は笑えなかった。話の内容なんて、聞かなくても分かる。大体、こんなもんだろう。 (おい、あの赤毛の女の子、紅蓮番長だぜ…ひびきの高校に来てたのかよ…) (え、あれが噂の?すっげえ可愛いじゃん!) (バカ、確かに見かけは天使だけど、ありゃあ撲殺天使だよ。俺、泣きながら逃げてく不良を紅蓮番長がとっ捕まえて ギタギタにしてる場面、何度も見たよ) (うへぇ~~~…) (隣の女は水無月琴子だ…あいつに関してはよく分からないが、紅蓮番長といつも一緒にいて、紅蓮番長も結構頼りに してるみたいだから、本気になりゃ無茶苦茶ヤバいんじゃないかって恐れられてたぜ) 「…………」 また頭が痛くなってきたので、考えるのはやめにした。 ―――と。 「あら?何かしら。あっちが何か騒がしいわね」 「クラス発表の掲示板の方だね…行ってみようよ!」 「あ、待ちなさい!もう、私はあなたみたいに足が速くないのよ!」 ちなみに光の100m走のタイムは子供の頃の孫悟空と同じである。閑話休題(それはともかく)。 光が手加減してくれたおかげで琴子も一緒に掲示板に辿り着き、 (なお、この際光が「もっと早く走ってよ~。潰さないように蟻を踏むのは力の加減が難しいの!」とどっかの黒幕の ような失礼なセリフをかまして、琴子に引っ叩かれた) そこで、一人の漢の姿を見た。 周りの誰もが思わず遠巻きにしてしまうほど、彼は存在感に溢れていた。 そして。彼の目は、光の姿を見つけた。光もまた、言葉もなく、彼を見つめていた。 「久しぶりだな―――光」 3メートルに届くほどに背は高くなり、筋肉は更に分厚い鋼鉄みたいになって。 けれど、その険しい眼光の中に、変わらない優しさを秘めて――― 「その学ラン、ずっと、大事にしてくれてたみたいだな」 「あきら…ちゃん…」 金剛と、光。ずっと離れ離れだった、大切な幼馴染。二人は互いに駆け寄り、そして――― 「打舞流叛魔(ダブルハンマー)ァァァァァァッ!!!」 「赦威忍愚叛魔(シャイニングハンマー)ァァァァァァッ!!!」 互いの拳を、ぶつけ合う!それはもう、世紀末覇者を目指す者同士の如く! その衝撃に、遠巻きに見ていた一般の生徒たち(琴子も例外ではない)はぶっ飛ばされていった。 そして、その爆心地である二人は、爆風で生じたクレーターの中心で、拳をぶつけ合った態勢のまま――― 骨太な感じに、笑い合った。 「あの泣き虫が、強くなったみてえだな…」 「えへへ…言ったでしょ。今度会う時は、あきらちゃんの隣にいられるくらい強くなるって…」 そして光は、不意に、悲しそうな顔になった。 「バカ…急にこの町を出て行っちゃって、私、すっごく悲しかったんだから…」 「へっ…すまねえな」 「ううん!ちゃんと帰って来てくれたから…だから、許してあげるよ、あきらちゃん」 「フッ…それはそうと、この歳で<あきらちゃん>てのはねえな。ちとムズ痒いぜ」 「あはは、そうだね!じゃあ…晄くんって呼ぶことにするよ。あ、そうだ!学ラン、返さなくちゃ…」 学ランを脱いで返そうとする光を、金剛はそっと押し止めた。 「立派になったな、光…似合ってるぜ、それ」 「え…?」 「だから…それはもう、お前のもんだ」 「晄くん…」 よくよく今までの展開を考えるとアレだが、そこはかとなくロマンチックな空気が流れた。しかし――― 「ちょ…ちょっと待ちなさい!」 先程吹っ飛ばされた一般人代表かつ、ツッコミ担当(琴子)がようやく戻ってきた。 「な、な、何者なのよ、あんたは!?それと、何だっていきなり殴り合いになるのよ!?」 しかしダメージは大きかったのか、ごく普通なつまらないツッコミしか出来なかった。 「うるさいわよ、そこ!」 「おいおい、あんた、何に向かって怒鳴ってるんだ?変な女だな…」 「きーっ!あんたにだけは言われたくないわ!」 「ああ、もう。琴子ったら落ち着いてよ!ほら。この人が私の幼馴染の金剛晄くんよ!」 光が宥めに入り、やっとこ琴子は落ち着いた。落ち着きはしたが、新たな問題が発生していた。 「…幼馴染…て、どこかへと消えていったっていう、あの?」 「そう!」 「小学2年生にして身長6尺以上あった?」 「そう!」 「…小学2年生にして無数の伝説をひびきのに残したという、あの?」 「そうだよ!もう、何度も話したじゃない!」 「おい光、誰なんだ、この変な女は?」 ちょっと蚊帳の外な金剛が、やっとこ琴子の素性を尋ねる。一方琴子も度重なる変な女扱いに、恐怖を押し退けて 怒りが沸いてきていた。少しばかり喧嘩腰で、自己紹介を始める。 「水無月琴子、光の親友よ!ちなみに嫌いなタイプは三本角みたいな髪型で、筋肉ムキムキの、身長10尺の大男! おまけに学ランまで着てるような奴だったら、ドンピシャで大嫌いよ!」 「…………」 どう考えても自分のことである。初対面の女にいきなりここまで言われて、金剛も渋い顔であった。 「あーん、もう、琴子も晄くんもやめてよ!」 「あなたは黙ってなさい!それはそうと光も光よ!再会の喜びに抱き合うってんならまだしも、なんだっていきなり 殴り合うのよ!」 「フッ…決まってるだろ」 金剛はなんだか偉そうだった。 「漢同士が言葉をかわすのに、拳以外にはねえ!」 「そうそう!そういうこと!」 光も金剛に全面的に同意。大好きなご主人様に尻尾を振る子犬の如き態度だった。 「…そう。分かった。分かりたくないけど、分かったわ。それじゃあさよなら。そこでいつまでも馬鹿やってなさい」 琴子はそう呟き、二人に背を向け、ふらふらと歩き出した。 ダメだ、ここは私のいる世界じゃない。残念ながら、光との友情もここまでだ。 そう、今私がすべきことは、この修羅の世界から一刻も早く逃げ出すことなのです。 そんな琴子を目ざとく見つけた光が、その肩を、ポンと叩いた。 「どこいくの?琴子。私たちみんな、同じクラスなんだから、一緒に行こうよ!」 「…は?」 恐る恐る、掲示板に目を向けた。クラス表―――そこには――― 自分と光と、そして金剛。三人の名前が、同じクラスで、仲良く並んでいた。 「これからもよろしくねっ琴子♪」 「おう、よろしくな、変な女」 そう言って笑う二人の顔は、琴子の目には、紛れもなく悪鬼羅刹に見えたという。 絶望のあまり、琴子はその場にorzの態勢で倒れ付した。 先立つ不孝をお許しください、大好きなお父さん、お母さん。 軽薄なパンク野郎で大嫌いだったけど、いざとなると名残惜しいです、兄さん。 さりげなく妹キャラであることをアピールしつつも、意識がぶっ飛んでいく。 「あれ!?琴子、琴子!どうしたの!?」 薄れゆく意識の中、琴子は決意した。来年、隣町のきらめき高校に受験しなおそうと。 ―――しかし、そんなことが出来るはずもなく。彼女は高校3年間、この規格外カップルの巻き起こす騒動の度に、 日々広くなっていく自分のおでこと死滅する毛根に涙を流す日々を送るのだった。 合掌。 ―――その時だった。 「おーっと、感動の場面のとこ悪いが、お前らを通すわけにはいかねえぜ!」 「!?」 いつの間にか、三人は、怪しい集団に取り囲まれていた。多種多様な人物が揃っていたが、共通点は二つ――― 全員が学ランを羽織り。そして、全身から、凄まじい闘志を発していた。 最初の一人―――左腕に腕章をつけ、長い髪を風に靡かせる、小柄な少女が啖呵を切った。 「金剛番長、そして紅蓮番長―――恨みはないが、ここで倒れてもらうぜ!このあたし…ひびきの高校生徒会長に して<蹴殺番長>赤井ほむらの手…いや、必殺会長キックによってな!」 「ほむら。悪いけど、あの紅蓮番長…陽ノ下光さんはボクに譲ってもらうよ」 ほむらと名乗った少女の隣にいた、巨乳美少女でボクっ子が光を睨み付ける。 「かつてあなたに倒された総番長は…ボクのお兄ちゃんだ。その仇は取らせてもらう。この<鉄拳番長>――― 一文字茜(いちもんじあかね)がね!」 「あーあー、美幸はこんな不幸なのに、みんな楽しそうでいーなー!」 超音波のような声を発する、ゴキブリみたいな触覚ヘアーの女の子が不満げに口を尖らせる。 「こーなったら~、生まれた時から不幸全開!<大凶番長>寿美幸(ことぶきみゆき)が~、み~~んな不幸にして あげちゃおっと!」 「うふふ…美幸さん。そんな物騒なことを言ってはいけませんよ」 その隣にいる、にこやかな笑顔が印象的な、胸元にカエルのぬいぐるみを抱いた優しげな少女が美幸を宥める。 「あの金剛番長さんは、この<電波番長>白雪美帆(しらゆきみほ)の占いによると、私の王子様となってくれる お方なんです。妖精さんだってそう言ってますよ。ね?妖精さん」 「…どうでもいい…心底どうでもいい…」 膝を抱えて座り込んでいる、美しいが暗く沈んだ顔をした少女が呟く。 「私は<憂鬱番長>八重花桜梨(やえかおり)…なんで私、こんな格好して、こんな連中と一緒にいるのかしら…」 「まあまあ八重さん、これもダイエットの一環だと思って」 ちょっとぽっちゃりしてるが、中々可愛らしい顔をした女の子が花桜梨の肩をポンポンと叩く。微笑ましいが、その右手に 持っているのは狂悪なまでの兇器―――釘バット。 「甘いお菓子と中性脂肪は乙女の天敵!野球部マネージャーにして<節食番長>佐倉楓子(さくらかえでこ)だもん!肥満 防止の運動のため、軽ーくお二人さんをやっつけちゃうもん!」 「―――ふん。どうにもこうにも、下賎な連中なのだ」 背後に執事を引き連れた、いかにもいいとこのお嬢様といった風情の少女が小馬鹿にしたように憎まれ口を叩く。 「全く、この<御嬢番長>伊集院メイが来年には通うことになる高校がこの有様とは、嘆かわしい限りなのだ」 ―――総勢、7名。分かることはただ一つ―――全員が、人間を遥かに超えた埒外の者たちであるということのみ。 「…一応聞いておこう…てめえらは何者だ」 「それは私が説明してあげるわ…晄くん。それに、光ちゃん」 「!?こ…この声は、まさか!」 驚愕の表情を浮かべる金剛と光。その声は、それほどに予想外の人物―――何より、自分たちにとって、とても身近 な人物の声だったのだ。<彼女>は、7名の番長たちの間を割って、二人の眼前に立つ。 「出来れば―――こんな再会はしたくなかったわね。二人とも」 「「華澄さん…!」」 そう、二人にとって共通の幼馴染であり、優しいお姉さんだった―――麻生華澄! 「今の私はもうあなたたちの優しいお姉さんじゃないわ―――飛び級に飛び級を重ね、若干20歳にして大学を卒業し、 そしてひびきの高校新任教師となった<担任番長>麻生華澄よ!そして、ここに集まった7人は、全て、私が直々に 鍛え上げた戦闘集団なのよ」 「そんなこたあどうでもいい!何故あんたが、俺たちの優しい姉貴だったあんたが、こんな真似をするんだ!」 華澄は、その美しい顔を少しだけ歪めた。とても、辛そうに。 「晄くん―――あなたの闘っている<組織>について、私も調べたわ」 「何だと…!」 「彼らは、あなたの想像以上に恐るべき相手よ。どれだけあなたが強くとも、ただ、草のように毟られて終わる。それは あなたの助けになろうとしている、光ちゃんも同じこと。そんなことになるくらいなら―――」 ならば―――と、華澄は言う。その手にはいつの間にか、教鞭が握られていた。 「草のように毟られる前に―――私たちが、華と散らせてあげるわ。誰かに殺られるくらいならば、せめて、私の手で。 そう思って、私も<番長>を名乗り、強くなったわ。けれど…私たちに倒されるのも嫌なら…もうやめなさい。暴力を 捨てて、普通の高校生として、何も知らないような顔をして、静かに暮らすのよ」 「…そうはいかないよ」 光は決意を込めた目で、華澄をまっすぐに見つめた。 「私も、晄くんも、その<組織>なんかに負けたりしない!だから―――例え華澄さんが相手でも、引かない!」 「よく言ったな…光」 金剛は光を、本当に頼もしそうに見つめた。それは、対等の相棒に対して向ける、純粋な敬意だった。 「それじゃあまずはこいつらにスジを通して、高校生活の始まりといくか!」 「うん!」 光は力強く頷く。そんな二人を見て、華澄は悲しげに眉を顰めた。 「どうしても闘うというのね…それがどれだけ辛い道か、あなたたちには分かっているの?」 それに対する、二人の答えは、一つだけ――― 「「知ったことか――――――っっっ!!!」」 二人は隣り合わせ、総勢8名となった超人たちへと、恐れの欠片もなく立ち向かう。 あの幼かった日々、何も怖いものなんてなく、二人で遊んだ頃と同じように。 ―――生涯を誓い合った、伴侶のように。 そして。 「もういやぁぁぁぁ!わたち、もうおうちにかえるぅぅぅぅぅっ!たすけてパパ、ママ、おにいちゃ~~~ん!」 ―――完全に忘れ去られていた琴子は、幼児退行を起こしていた。 そんなこんなで―――拳骨と血飛沫が舞い踊る、彼と彼女のちょっとおかしな恋物語は、まだ始まったばかり!
https://w.atwiki.jp/kyogokurowa/pages/200.html
宮比温泉物語―――μによって、仮想世界メビウスに創られた温泉アミューズメント施設。 本来であれば、多くの客が押し寄せ、野外の縁日も含めて大いに賑わう場所である。 しかし、この殺し合いの場にて複製されたこの空間は、本来の和気藹々とした雰囲気とは程遠く、殺伐としたものになっていた。 事実、この場所では既に二人の少女がその命を散らしており、琵琶坂永至、魔王ベルセリアといった戦禍が去った今尚も、血と争いの臭いが静寂の中に立ち込めている。 そして、先の戦闘によって生じた次元の断裂より、雨が降り注ぎ、施設内には、外で打ち付ける雨音が断続的に響いている―――まるで、この施設で起こった悲劇を代弁する涙のように。 「竜馬さん…それに、えっと―――」 「メアリ・ハントですわ……」 施設の大広間の片隅。 それぞれ思うところがあったのか、沈黙したまま佇む、流竜馬とメアリ・ハント。 そんな二人にドッピオは歩み寄り、恐る恐るといった感じで尋ねる。 「メアリちゃんね、宜しく……。 それで二人共、これから、どうするつもり?」 ドッピオとしては、先程の「乗った側」と思わしき連中―――琵琶坂永至に魔王ベルセリアは、一目見ただけでも、まるで核弾頭のような危うさを放っているように映っていた。 アレらには関わってはいけない―――彼の生物としての本能が内側から警鐘を鳴らしていた。 しかし、眼前の二人―――竜馬もメアリも、鬼気迫る表情を浮かべており、その眼光は敵意、憎悪とも取れる強い感情を宿しているようだった。 その感情の矛先は、恐らくは先の魔王達―――このままでは、直ぐにでも連中の追跡しようと言い出しかねない状況だ。 しかし、ドッピオとしては、それは困る。 彼としては、この殺し合いでの生存率を上げるため、わざわざ西に赴き、密かに本物の「ブチャラティ」に繋がる者たちの排除を目論んでいたのに、自らの生存を脅かすような死地に飛び込むような真似は絶対に避けておきたいのだが―――。 「―――『どうするつもり?』ですって?」 ギロリ 「……っ!?」 そんなドッピオの思惑など知る由もなく、最愛の友人を失った少女は、氷のように冷たい眼光を以って、ドッピオを睨み付け、あまりの威圧に彼は後退る。 「決まっていますわ、私はあいつらを追います。 そして―――」 高坂麗奈、ヴァイオレット・エヴァーガーデン、東風谷早苗―――。 ドッピオは殺し合いの地において、三人の少女達と接してきた。 彼女達は、基本的に殺し合いを是とせず、ドッピオとしても、割と穏やかに交流できていた。 しかし、彼女らと同年代と思わしき眼前の少女は、一線を画していた。 「必ずこの手で殺す……私からカタリナ様を奪った、あの男を……」 ゴクリと息を呑むドッピオ。彼は思う。 ただならぬ殺意を放つこの少女は、言うなれば、劇薬―――。 取り扱いを間違えると、こちらにも牙を剥きかねない危険因子であると。 「俺も、野郎を追うぜ、ブチャラティ」 竜馬もまた、その闘志を隠すことはない。 メアリの殺意に呼応するかのように、ギラついた眼差しでドッピオを見据える。 「奴が手にしたゲッターの力、野放しにしておくわけにもいかねえし、何よりも――」 竜馬の脳裏に浮かぶのは、自分以外の他者をゴミのように見下し、ゲッターという力に酔いしれ、慢心しきっている男の醜悪な笑み。 「野郎のことが、気に入らねえ」 琵琶坂という男と接した時間はごく僅かであったが、それでも一目見ただけでも、不快感とともに、竜馬は直感的に理解できた。 あの男は自分の最も嫌悪するタイプであると。 「む、無理ですよぉ……二人とも、分かるでしょ? あいつの攻撃、早すぎて目で追うことができなかった。 奴ら、正真正銘の化け物ですよ、敵うわけが――」 「関係ねえ(ない)っ!!」 「ひぃっ……!?」 声を揃えて、ドッピオの忠告を一蹴する竜馬とメアリ。 直情的な嫌悪と、愛する者を奪われた憎悪――二人の心に灯った炎は容易く消えそうにはない。 (やはり、説得するのは困難か――) 二人の勢いに、圧倒されるような表情を張り付かせつつ、ドッピオは内心ではそのように分析する。 二人の意志が固いのであれば、ドッピオとしても無理に説得するつもりもない。 追従する義理もないのだから、ここらで竜馬達とは袂を別つべきで、今後行動を共にするべきは、今この場にいない残り二人の少女といったところか。 であれば、彼女達の意見を聞きたいところではあるが―――。 「―――それで、てめえらはどうするつもりなんだよ」 「はい?」 ドッピオの思考を遮る、竜馬の問い掛け。 「てめえ」ではなく、「てめえら」というう複数形の言葉に、首を傾げるも、竜馬の視線は真っ直ぐにドッピオ―――ではなく、彼の遥か後方へと、向けられていることに気付く。 メアリもまた、そちらに見据えている。 二人に釣られるように、ドッピオが振り返ると―――。 「……。」 メアリの様子を伺いに来た間宮あかりが、そこに佇んでいたのであった。 ◇ 「こんな格好で失礼します。まずは改めて、自己紹介を……。 私は、岩永琴子と申します。」 壁に靠れるような形で、地面に座り、挨拶を行うのは『知恵の神』こと、岩永琴子。 あかりに引き連られる形で、彼女の元を訪れた竜馬、メアリ、ドッピオの三人に対して、恭しく頭を下げて見せる。 「流竜馬だ」 「ブローノ・ブチャラティです」 「……メアリ・ハントですわ……」 そんな琴子に対して、竜馬達は三者三様の反応を見せる。 竜馬はぶっきらぼうに、ドッピオは丁寧な態度で、メアリはどことなく刺々しい態度で。 ―――岩永さんを交えて、お話ししませんか。 あかりからの提案に則った形で、一同は、改めて彼女と対面する運びとなった。 一応は皆納得した形ではあるが、すぐにでも琵琶坂を追走したいメアリは、早く済ませろと言わんばかりの表情を浮かべている。 「…それで、何か用かよ、ガキんちょ」 「むっ! ガキんちょとは失礼極まりない。私は大学生で、れっきとした大人の淑女ですが!? 全く―――。あなたといい、神隼人さんといい、ゲッターロボのパイロットとやらは、女性に対する礼儀というものを知らないんですかね?」 「っ!? おい、ちょっと、待てガキ。お前、隼人のことを知っているのか?」 「だから、ガキ呼ばわりするのは止めろと―――まぁ、これ以上言っても仕方ないですね……」 竜馬の物言いにカチンと来た様子の琴子は、負けじと言い返そうとするも、踏みとどまり、コホンと咳払い。 何かと突っかかってくる眼前の男に対して、眉を顰めながらも、話を戻す。 「お察しの通り、神隼人さんとは、最初の放送後に少しだけ会話を交わしました。 今は別行動を取っていますが、協力関係にあります。」 「あいつは、どこにいる?」 「あなたが欲している情報も含めて、我々は互いに把握していることを共有して、状況を整理する必要があると考えますが、如何でしょうか?」 「……だーっ! いちいち周りくどいんだよ、てめえは! 要は、情報交換したいってことだろ、わーったよ!」 遠回しに情報交換の必要性を諭してくる琴子に、竜馬は面倒くさそうに髪を掻きながら、ぶっきらぼうに首肯する。 そんな竜馬の態度に、やれやれといった表情を浮かべる琴子。 (隼人さんと違って、此方は直情的な漢のようですね……) 怪異達より『知恵の神』として、畏れ敬われる琴子ではあるが、如何せん理屈や道理が通用しない人間に対しては、真価を発揮できない。 眼前の竜馬は、その典型的なタイプであると言える。 盤上で駒を動かし、着実に理詰めに尽くす琴子に対し、盤面そのものをひっくり返してくるような類の人間だ。 そういった人間を相手取る場合は、いつものように理詰めをするのではなく、その感情の方向性を読み取った上で、上手くコントロールするのに限る。 琴子は、脳内で竜馬をその様に評しつつ、傍に立つ他の三人に視線を移す。 「他の皆さんは、如何でしょうか?」 「岩永さんに、お任せします」 「えっと、ぼくとしては望むところだけど……」 琴子の提案に、あかりとドッピオは、竜馬に続くように同意する。 そして、一同の視線は、腕を組んだまま沈黙するメアリへと注がれるも―――。 「……手短にお願いしますわ……」 未だ不機嫌そうな表情のまま、彼女は小さく呟いた。 「感謝します。では、早速ですが――」 琴子は、改めて話を切り出すと、まずは自身のここに至るまでの経緯を語りだす。 そして、それに続く形であかり、ドッピオ、竜馬、メアリの順に、それぞれが遭遇した出来事を語っていった。 ――そうして、一通りの話を終えた後。 「……なるほど。皆様のおかげで、残っている参加者のおおよそのスタンスを把握することができました。」 顎に手を添えながら、各自提供の情報を総括していく琴子。 今回の情報交換で、この殺し合いにおける、おおよその勢力図が見えてきた。 「二回目の放送後に生き残っているとされていたのは46人。 ここから私達5人と、富岡さん、カタリナさん、シグレさんを除くと、残るは38人となりますが―――」 カタリナの名前が挙がると、メアリとあかりは、ぴくりと反応を見せるも、それに構わず、琴子はドッピオに問い掛ける。 「ときに、ブチャラティさん。あなたが、ゲーム開始当初に出会った男性も、『富岡義勇』を名乗っていたということで間違い無いですよね?」 「ああ、うん。役者をやっていて、通称は『月彦』で、本名が『富岡義勇』だと言っていたけど……」 「そして、高坂麗奈さんと共に、電車を利用して『北宇治高等学校』へと先行したはずだと……。」 「うん……だけど、ぼく達が高校に辿り着いたころには、彼らの姿はなかったよ」 「なるほど、少なくとも我々が知りうる富岡さんの経緯とは合致していないですね、つまりは―――」 琴子は、直接義勇と接することはなかったので、富岡義勇の人物像を大まかに把握しているわけではない。 しかし、少なくとも神隼人との情報交換の際に、彼の経緯を聞いた限りでは、彼は、ゲーム開始当初は、魂魄霊夢という少女と行動を共にしていたと聞いており、高坂麗奈という少女の名前は出てこなかった。 「どちらかが、偽名を名乗っていたということでしょうね」 琴子は、そのように結論付ける。 仮に、先程まで一緒にいた此方側の義勇とまともに会話する機会があれば、リュージの能力で、その真偽を確かめられただろう。 しかし今となっては、それも叶わない。 次の判断材料は、第三回放送で富岡の名前が呼ばれるか否かであろう。 「って事は、月彦さんが、ぼく達に嘘ついてた可能性があるってことか……。 言われてみれば、あの人は、何かと腹に一物抱えてそうな印象があったけど……。 っていうか、彼が偽物なんじゃないかな? うん…なんかそんな感じがしてきたぞ―――」 ドッピオは、ぶつぶつと呟きながら、考え込む仕草を見せつつ、そのようなことを口走る。 彼の中では、元々月彦のことは、油断ならない人物だと考えていたが、徐々に彼に対する疑念が深まっていく。 「あークソっ、もしそうだとしたら、無性に腹が立ってくるなぁ。 澄ました顔で平然と嘘吐きやがって、こんちくしょうめぇっ!!」 「……。」 苛つくドッピオ。 その様子を冷ややかに観察した琴子は、一呼吸おくと一同に問い掛ける。 「―――もし仮に、ブチャラティさんの出会った『義勇』さんが偽物だったとして、彼は何故、偽名を名乗ったのでしょうか?」 「えっと、本名を知られると困ることがあった……ってところでしょうか?」 未だ荒ぶるドッピオを他所に、あかりが静かに応えると、琴子は首肯する。 「ええ……恐らくは名簿の中に、自分に敵対する者、それに準ずる者の名前を見つけたのでしょう。 だから、彼は本名を明かさなかった―――敵対勢力の者によって、参加者間に、自分に関する悪評を振り撒かれたりすると、後々、厄介なことになりますからね」 琴子は、更にここで一呼吸置くと、ドッピオに向き直る。 「そこで質問なのですが、ブチャラティさん。 もし、あなたが月彦さんの立場なら、あなたは誰の名前を騙りますか?」 「えっ、ぼく? し、知るわけないだろ!? そんな事……」 「では、名簿の中にいる見知らぬ誰かの名前を騙りますか? もし仮に、その『見知らぬ誰か』の知り合い相手に『見知らぬ誰か』の名前を騙った場合、どうなりますかね?」 「そ、それは……」 思わぬ尋問に、言葉を詰まらせるドッピオ。 その額には、いつの間にか脂汗が浮かんでいた。 (何だ、これ……?) ドッピオは、違和感を覚える。 先程までは月彦について議論しているはずだったが、いつの間にか、彼と同じく偽名を名乗っている自分も、一緒に糾弾されている感覚に陥っている。 (まさか、こいつは……ぼくがブチャラティを騙っていることに気付いている?) そんな疑念が脳裏に過ぎると、ドッピオは、思考をフル回転させ、状況を整理する。 琴子達は、ゲームが始まってから、会場の西側を中心に活動していたと聞く。 であれば、本物のブチャラティと接触していた、或いは人づてに彼の情報を取得していても不思議ではない―――否、直接会っていたという線は薄いか。 わざわざ、こちらを試すようにカマをかけているのは、そこに確信はないためのように見受けられる。 恐らくは、琴子が接触した誰か、さしあたり、先程魔王達に連れて行かれたリュージあたりが、本物と接触して、彼を通じてその情報を得ている――といったところだろうか。 (仮にそうだとしても、こいつが掴んでいるのは『ブチャラティ』を名乗る者が二人いる、という情報のみ。 本物と接触もしていないし、どちらが本物なのかの確信もないから、こんなカマをかけているだけだ) 脳内でそのように結論づけ、ドッピオは一呼吸落ち着かせ、平静を取りもどす。 そして、突き付けられている問いに対して、解を口にする。 「偽名を看破されて糾弾され、周囲からの信用はガタ落ちになる?」 「ええ、そうなりますね。 それでは、改めてお尋ねしますが、この場合の彼の最適解は、何になると思いますか?」 「……彼と敵対する者の名前を騙る……ってところ?」 自身の行いをなぞり、疑問符を交えつつも、ドッピオは、堂々と受け答えをした。 ボロを出さないために、慎重に言葉を選びながら。 琴子はというと、そんなドッピオの目をじっと見つめた後、ふっと満足そうに笑みを溢した。 「正解です。まぁこの戦略を取る場合にも、この殺し合いに、騙る相手の知己として誰がいるのかを、把握していなければいけませんが……間違っても、その知り合いに名前を騙るなどしたら台無しですからね」 そのお人形さんのような可愛らしい微笑みに、思わず見惚れてしまうドッピオ。 しかし、すぐにいかんいかんと、心の中で首を横に振る。 何呆けてるんだ、こいつはぼくを疑っているかもしれないんだぞ!と自らを諫める。 そんなドッピオの葛藤を他所に、琴子は推理を続けていく。 「そして、そこから鑑みるに、富岡さんの名前を騙る者に、私は心当たりがあります」 「一体誰だってんだよ、そいつは?」 じれったそうに竜馬が、琴子に結論を急かした。 彼としては、先程からのドッピオと琴子のやり取りは、とても回りくどいもので、イライラが募って仕方がなかったのである。 「――鬼舞辻無惨……。富岡さん達、鬼狩りが追っているという鬼の首魁こそが、月彦さんの正体かと」 「なるほど、鬼ねぇ……」 『鬼』という単語に、竜馬は興味深そうに鼻を鳴らす。 『鬼』という存在は、竜馬にとってみれば、少し前までは空想の怪物に過ぎなかったが、ゲッターのパイロットになってからは、彼らとの交戦が日常茶飯事となっていた。 「鬼舞辻無惨は、非常に強力な鬼と聞き及んでいます。 仮に、次の放送で、富岡さんの名前が呼ばれた上で、今後月彦さんと遭遇することがあれば、用心するに越したことは―――」 「んな必要はねえ」 琴子の言葉尻に被せるように、竜馬は言い放つ。 「疑わしきはなんちゃらって奴だ。その月彦とかいうやつを見かけたら、問答無用でぶっ飛ばしちまえば良い。そっちの方が手っ取り早い」 拳をポキポキと鳴らして、不敵な表情を見せる竜馬。 そんな彼に対して、琴子はやれやれと言った様子でため息をつくと――。 「……注意してください、と言いたかったんですが、まぁいいでしょう……。 もう、あなたに関しては、それで良いと思います」 と、半ば諦めたように言うと、次の話へと移っていく。 「――話を戻して、会場に残る参加者38人について、整理しましょう。 まずは、既に判明している危険な参加者について、おさらいしましょうか。 先ほど話の上がった月彦さん以外に、注意すべき危険な参加者は、10人います」 琴子は、一同に確認するように危険人物の名前を上げていく。 まずは、目下最大の脅威とされるベルベット・クラウと琵琶坂永至。それにベルベットと手を結んでいる麦野沈利と夾竹桃の4人だ。 夾竹桃とは、第一放送後の主催との戦闘後、停戦協定を交わしていたが、こうなってしまった以上激突は避けられない。 次に、あかりたちが学園で遭遇したという、マロロと十六夜咲夜の二人。この二人についても徒党を組んでおり、マロロについては、オシュトルに対して、強い執念を抱いてるとのこと。 学園で、あかりたちが出くわした脅威はこの二人だけではない。顔半分を仮面に覆われた巨漢ヴライもまた圧倒的な力を以って、破壊の限りをつくしていたと聞いている。 個の戦闘力という点で鑑みれば、間違いなく最上級に位置するだろう。 また、この場にいる者が直接接触したわけではないが、人づてに聞くところによると、オスティナートの楽士ウィキッドと、ビルドが探しているシドーに関しても、既に他の参加者を殺害しているということで注意が必要であろう。 そして、最後にフレンダ=セイヴェルン。 戦闘力だけみれば、それ程の脅威にはなり得ない。 しかし、ゲーム開始早々、竜馬に不意打ちを仕掛け、失敗すれば彼の悪評を振り撒き、参加者間にいらぬ誤解と争いを拡散しているという意味では、害悪な存在であることには違いない。 ちなみに、第一放送後に、彼女と遭遇したメアリにも、しっかりと竜馬の悪評を吹き込んでいた。 それをメアリから聞かされた竜馬―――。一同は、怒り狂うのではと身構えたが、彼は、ただ静かに「やっぱ、分からせねえといけねえようだなぁ、あのガキは」と見るものをゾッとさせるような笑顔を浮かべたのであった。 「―――さて、次は、殺し合いに乗っていない側の人間について整理しましょうか」 殺し合いに乗っている側、危険人物についての情報の整理が完了すると、次は殺し合いに乗っていない側、恐らくは味方となり得る人物について、琴子は名前を挙げていく。 この場にいる5人が接触した人物及び、人づてに聞いた「殺し合いに乗っていない側のスタンスを取っている人間」として名前が挙がったのは―――。 オシュトル、東風谷早苗、ロクロウ・ランゲツ、ヴィオレット・エヴァ―ガーデン、高坂麗奈、カナメ、博麗霊夢、平和島静雄、レイン、折原臨也、クオン、神隼人、ビルド、リュージ、梔子、神崎・H・アリア。 以上の16人。 とはいえ、折原臨也や梔子などは、この場で直接対面したものはおらず、あくまでも人づてに「乗っていない側」と聞かされているだけであり、人物像に不明なところは多い。 それに、殺し合いが進行する中で、先の琵琶坂のように方針転換する人物が現れることも無きにしも非ずのため、くれぐれも過去の接触での印象のみを過信するのは禁物であると、琴子は注意を促した。 「―――これで27人。スタンス不明の参加者は残り11人となりましたが、11人の内、4人は我々の元々の知り合いのようです」 琴子は、そう言って一呼吸おくと、5人の名前を列挙していく。 まずは、武蔵坊弁慶。 竜馬や隼人と同じゲッターロボのパイロット。 大柄な体格で女好きな坊主がいれば、それは彼であると見て間違いないとのこと。 次に、桜川九郎。 琴子のパートナー兼恋人。 落ち着いた感じの見た目の大学生であり、交際関係にある琴子とは、それはもう相思相愛の間柄であると、彼女は熱弁した。 ジオルド・スティアートは、メアリとカタリナの幼馴染とのこと。 ソルシエ王国の第三王子にあたり、金髪碧眼の美青年で文武両道。 また、メアリと同じく、魔力持ちであり、火を自在に操るとのこと。 尚、メアリは当初、ジオルドに関する情報は、外見と出自のみを簡略的に伝えるに留まっていたが、琴子が彼女を追及することで、魔力についての情報も引き出すことが出来た。 そして、最後に佐々木志乃。 彼女は、あかりの同級生であり、同じ武偵とのこと。 しかし、いざ志乃の話題に移ったところで、あかりは表情を曇らせた。 「……? どうしたんですか、あかりさん?」 「岩永さん……志乃ちゃんは、多分もう―――」 「どういうことでしょうか?」 言葉を詰まらせ俯くあかりに、首を傾げる琴子。 あかりの様子から、佐々木志乃の身に、何が起こったかは概ね察することは出来る。 しかし、何故志乃と接触していないはずのあかりが、彼女の安否を知っているのか。 その点について、言及を促す琴子に対して、あかりは、ぽつりぽつりと口を開いた。 「私、志乃ちゃんの声を聞いたんです―――」 そして、あかりは語り出す。 先の魔王ベルセリアとの戦いの裏で、生と死の狭間にて、彼女が体験した全てを―――。 「――なるほど、そういうことがあったのですね」 時間と空間から隔絶された世界―――。 シアリーズとシュカ―――。 情報の破損と補完―――。 奈落からの回帰―――。 あかりから齎された情報は、どれも浮世離れしていたものであり、実際のところ、竜馬、メアリ、ドッピオの三人は話についていけなかった。 しかし、元来そういった浮世離れした世界に通じていた琴子にとっては、これまで積み上げてきた自身の考察と合点のいくことが多く、むしろ得心がいったとばかりに受け入れられる内容であった。 μによって構築された電子の世界―――。 データ化されている参加者―――。 交わる異能―――。 これらの符号が真実味を帯びていくのを感じながら、琴子は顎に手を添えて、考え込む。 「虚構と現実が、ひっくり返る……ですか……」 改めて、先の魔王ベルセリアから齎された主催者の目的を思い出し、琴子はそう呟いた。 そして、今一度、目の前で佇むあかりをじっと見つめる。 (もし仮に、複合異能―――『覚醒者』の誕生が主催者の目的だとすれば、あかりさんもまた、その領域に達した存在と言えるでしょう) あかりもまた、魔王ベルセリアと同じく、秩序から逸脱してしまった存在と言える。 しかし、ベルベット・クラウという自我を喪失していた魔王ベルセリアとは異なり、あかりの自我は保たれたままだ。 そういう意味では、彼女の方が『進化』という観点で見ると、成功事例と言えなくもない。 だが、間宮あかりという少女は、恐らくもう―――。 「……? 岩永さん、どうかしましたか?」 琴子の視線に気付いたあかりが、小首を傾げて問いかけてくる。 そんな彼女に琴子は、何でもないと首を振ると――。 「……いえ、お気になさらず。少し脱線してしまいましたが、話を戻しましょうか。 残っている参加者のうち、これで31人のスタンス及び情報は整理できたので、これで我々が把握できていない参加者は、残り7人となりましたが―――」 「鎧塚みぞれさんは、私たちが出逢う前に、琵琶坂さんが遭遇して、襲撃されたようです。友達を殺したということでしたが―――」 「今となっては、真偽不明ですね。逆に琵琶坂永至が、鎧塚さんを襲撃したという可能性も疑わしいですね」 「同意ですわ。狡猾で卑劣……あの男なら、やりかねませんわね」 琴子の言葉に、メアリは憎々しげに同意を示す。 結論としては、琵琶坂の証言は当てにならないとのことで、鎧塚みぞれと、その他6名―――ライフィセット、ムネチカ、鎧塚みぞれ、黄前久美子、垣根帝督、ディアボロ、岸谷新羅についてはスタンス不明とのことで話は纏まった。 「で、結局これからどうするつもりだ、ガキんちょ?」 一応の区切りがついたのを見計らって、竜馬が琴子に尋ねる。 彼としては長ったらしい情報交換を終えた今、ここに長居するつもりはない。 「私達は、ブチャラティさんが仰る遺跡に向かうつもりです。 オシュトルさんを始めとする方々が其処に集まるようですし、こんな事態ですので、やはり仲間は増やしておきたいですからね。 竜馬さんは、“彼ら”を追うつもりなのですね?」 ガキ呼ばわりされたことには、もはや触れることはなく、琴子は竜馬の意思を改めて確認する。 「ああ、ゲッターの力を手にしている以上、野放しには出来ねえ。 何より、野郎の事は気にいらねえからな」 「であれば、リュージさんの救出を、お願いできませんでしょうか? 彼らが、リュージさんに利用価値を見出しているのであれば、まだ生かされている可能性はあるので…」 「いちいち注文の多いやっちゃなぁ。まぁ一応は頼まれてやるよ。 ただし、俺は俺のやりたいようにやらせて貰うからな」 用は済んだとばかりに踵を返す竜馬に、そんな彼の背に向けて、「ありがとうございます」と頭を下げる琴子。 竜馬はひらりと手を挙げると、そのまま歩み去って行く。 それに続くように、メアリもまた一同から去ろうとするが―――。 「竜馬さんと、一緒に行くつもりですか? メアリ・ハントさん」 「……ええ、そのつもりですが……」 琴子に呼び止められ、まだ何か用かと言わんばかりの目つきで彼女を見る。 「単刀直入にお聞きします。あなたは、カタリナさんを甦らせるために、この殺し合いに乗るつもりですよね?」 「――っ!? 岩永さんっ!?」 唐突に切り出された琴子の発言に、あかりとドッピオは驚きの声を上げる。 しかし、当のメアリは特に動揺することもなく、しばらく沈黙。 「……突然、何を言い出しますの?……」 「あなたのカタリナさんへの執着は常軌を逸しています。 それ故、今は、琵琶坂永至への復讐を最優先としているようですが、復讐をやり遂げたとして、その後はどうするおつもりですか? 最終的には優勝を目指して、カタリナさんを取り戻そうなんて考えているのではないでしょうか?」 問い詰める琴子に、メアリは再び沈黙。 そして、数秒の後、琴子を睨みつけると――。 「――だったら、どうするのです?」 「……やはり、そうですか……」 メアリの反応に、琴子は小さく息を吐いた。 「……。」 メアリは直感的に理解していた。ここまでのやり取りをみるに、ここで下手に誤魔化したとしても、琴子はしつこく追及してくるだろうし、彼女のような聡い人間を欺き通せるとは思えない。そんな事で無駄な時間は割きたくない。 そして何より―――。 「メアリさん、どうして―――」 「カタリナ様をお慕いしているからに決まっていますわ。 私にとってカタリナ様は全て―――カタリナ様のいない世界に何の価値もありませんわ」 カタリナに対する想いだけは偽りたくなかった。 悲痛な面持ちを浮かべ問いかけるあかりに、淡々と答えるメアリ。 思い返す―――。 幼少のころ、何事にも自信を持てず、人と接することも避けていた自分に手を差し伸べてくれた陽だまりのような彼女―――。 彼女のあの屈託のない眩しい笑顔にどれだけ、助けられたことか―――。 だから彼女を取り戻すためには、何だってしてみせる。 「―――そんなのカタリナさんは、望まない」 「ええ、カタリナ様は、絶対に望まれないですわ。 もし殺し合いに勝ち残って、カタリナ様を生き返らせても、きっと私のために怒ってくださるでしょう、泣いてくださるでしょう、叱ってくださるでしょう、もしかしたら大喧嘩するかもしれません―――」 あかりの指摘に、メアリははっきりと首肯すると――。 「―――でも最後には、きっと許してくださると思います。 あの方は、どうしようもなくお優しいので」 胸に手を当て、寂しそうな笑みと共に言い切った。 「だからと言って、他の誰かを犠牲にするなんて間違っています!!」 「だとしたら、どうなされるおつもりで? ここで私を止めるおつもりですか、あかりさん?」 ビシリ 空間そのものが軋むような錯覚すら覚える程の殺気が、辺り一面を支配する。 「――っ!」 「あかりさん、貴女には先刻命を救われました。そのことには感謝しています。 しかし、貴女がもし今ここで、私の邪魔をするということであれば、容赦は致しませんわ」 「……メアリさん……」 「私は、カタリナ様を諦めたりしない。カタリナ様との日々を『過去』にはしない―――カタリナ様は、必ず取り戻しますわ!!」 ビシリビシリ 空間がひび割れて崩れていくかのような感覚に、その場にいるドッピオは「ひぃ」と悲鳴を上げる。 メアリの覚悟は本物であり、それを前にあかりは言葉を詰まらせた。 まさに一触即発の状況。そんな中――。 「そこまでにしていただけましょうか、メアリ・ハントさん。 我々としても、あなたとここで争うつもりはありません」 暫く二人の問答を眺めていた、琴子が割って入る。 「岩永さん――」 「ここは、私に一任させていただけませんか、あかりさん?」 あかりは、琴子の申し出に対して、不安げな表情を見せるも、最終的には「…分かりました」と言って、諭される。 メアリは眉を潜めたまま、先程の琴子の意味を問う。 「……どういう意味ですの?」 「そのままの意味です。確かに、我々の最終的な目標は相容れることはありませんし、いずれぶつかる事になるのは間違いないでしょう。 ですが、今ここで我々が潰しあっても、得をするのは、琵琶坂永至達です」 「……あいつらを潰すまでは協力しろ……と言いたいんですのね」 「ええ、今は何より、彼らがこの会場で最大の脅威と成り得るのですから。 お互いのためにも、ここは一時的に手を組ませていただいた方が合理的ではありませんでしょうか?」 「……。」 琴子の提案に、メアリは暫し黙考。 やがて――。 「――分かりましたわ。こちらとしても無駄な争いは本意ではありません。 そちらの提案に従いましょう」 メアリはそう言って、殺気を抑えこむと、場の空気が一気に弛緩した。 どうにか、修羅場は避けられたようだと、ドッピオは安堵のため息をつくも、その傍らで、あかりは釈然としない様子であった。 そんな二人を他所に、メアリと琴子は会話を続ける。 「停戦協定成立といったところでしょうか。賢明な判断、痛み入ります。 それと差し出がましいのは承知で一つ、お願いがあるのですが―――」 「……お話だけは伺いましょう」 「我々と停戦している間、殺し合いに乗っていない参加者に危害を加えるのは控えていただきたいです。 あなたとしても、いたずらに敵を増やすのは好ましくないはずです」 「……明確に私の邪魔をしてこない場合に限り、善処いたしますわ」 「ええ、それで構いません」 こうして、二人の素っ気ない会話にて、打倒魔王一味を目的とした共同戦線は成立した。 あくまでも、共通の敵を排除するために、互いに利用しあうだけの薄っぺらい協定である。 話がひと段落するや否や、メアリは踵を返し、施設の出口へと向かっていくと、それまで不満そうに二人のやりとりを聞いていたあかりが、声を張り上げた。 「メアリさん!! 私は―――」 「あかりさん、次に会うことがあれば敵同士かもしれませんわね。 その時は遠慮しませんわよ」 あかりの呼びかけに対し、背中越しに振り返ることなく、メアリは冷たく突き放す。 去りゆくメアリの後ろ姿を、あかりはグッと拳を握り締め、唇を噛みしめながら見送るのであった。 ◇ 「――結局、こっちに野郎はいなかったな」 「そうですわね」 宮比温泉物語から、バイクを飛ばして、神殿へと辿り着いた竜馬とメアリ。 施設の中を一通り探索したが、琵琶坂達どころから人影は一向に見当たらず、徒労に終わる結末となった。 岩永琴子は、待機している夾竹桃たちのことも鑑みると、琵琶坂達一行は電車の沿線周りの施設を拠点にしているだろうと見解を示してきた。 神殿の他の西側の施設は、放送前に竜馬とドッピオが大方調べつくしていることから、彼女の見解と併せると、次の目的地としては、東側――産屋敷邸や紅魔館あたりが有力候補となるだろうか。 「ったく、結局、学校の方に戻っちまう羽目になっちまうな」 面倒くさそうに髪を掻きながらぼやく竜馬を横目に、メアリは足早に白バイの後部座席に跨ると、早く出せと言わんばかりの視線を彼に投げかける。 「さっきも言ったけど、俺は、俺のために野郎を追っていて、別にお前の復讐を手伝ってやるつもりはねえぞ。 向かう場所が同じだから、乗せてやっているだけだ。それに―――」 「自分の身は、自分で護れと……心得ていますわ。 竜馬様のお手を煩わせるようなことは致しませんわ」 「なら、いいんだけどよ……」 竜馬の言葉を遮るようにして答えるメアリ。 その口調からは強い覚悟と決意のようなものを感じられる。 ならば、これ以上は何も言うまいと、竜馬はアクセルを回し、バイクを走らせるのであった。 【F-4/夕方/神殿付近/一日目】 【メアリ・ハント@乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…】 [状態]:健康、己が願いを自覚、全身のダメージ(大)、鋼鉄の決意、漆黒の決意、カタリナのファーストキスゲット [服装]:いつもの服装 [装備]:プロトタイプ@うたわれるもの3 二人の白皇(吸収済み) [道具]:基本支給品一式、エレノアの首輪、カタリナ・クラエスのメモ手帳@はめふら [思考] 基本:優勝してカタリナ様を蘇らせて私達のハッピーエンドを目指す 0:竜馬と共に、琵琶坂達を探す 1:共同戦線を張っている間は、あかり達は利用する。 2:琵琶坂永至は絶対に許さない、殺す。 3:ミナデイン砲のトリガーとなるオーブを探す 4:琵琶坂を殺すまでは、極力敵は増やさない [備考] ※魔法学園入学前からの参戦です ※プロトタイプを吸収したことで水の魔力が大幅強化されました ※琴子、あかり、ドッピオ、メアリ、竜馬の五人でこれまでの経緯と、生存者についての情報を交換しました。 【流竜馬@新ゲッターロボ】 [状態]:ダメージ(中)、疲労(中)、出血(小~中、処置済み)、身体に軽い火傷(処置済み) [服装]: [装備]:悲鳴嶼行冥の日輪刀@鬼滅の刃 [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2、彩声の食料品、白バイ@現地調達品 [思考] 基本方針:主催をブッ殺す。(皆殺しでの優勝は目指していない) 0:メアリと共に、琵琶坂を探す 1:そのついでに折原臨也を探すが、あんまり会いたくない。 2:粘着野郎(晴明)死にやがったか、ざまあねえ。 3:戦う気のない奴に手を出すつもりはない。 4:弁慶と隼人は、まあ放っておいても死にゃしねえだろう。 5:煉獄があいつに殺されたとは思えないが、これ以上好き勝手やるつもりならあの金髪チビ(フレンダ)は殺す。 6:レインや静雄の知り合いに遭ったら一応伝えておいてやる。 7:あの野郎(琵琶坂永至)の……どうして野郎がゲッターの力を? 8:まだリュージが生きているのであれば、助けとく 9:『月彦』とやらを見つけたら、とりあえず殴っとく [備考] ※少なくとも晴明を倒した後からの参戦。 ※早苗、ブチャラティ(ドッピオ)、カナメ、霊夢と情報交換してます。 ※琴子、あかり、ドッピオ、メアリ、竜馬の五人でこれまでの経緯と、生存者についての情報を交換しました。 ◇ 「―――先程の裁定は、不満ですか、あかりさん?」 「……えっ?」 次の目的地である遺跡に続く道なき道の中。 琴子は、自身が座る車椅子を押すあかりに、唐突に問いかけた。 ちなみに、琴子が腰を据えるこの車椅子は、彼女らの同行人であるドッピオの支給品であったものだ。 義足を失ってしまった彼女は、このように誰かの助けがないと移動もままならない状況である。 「……不満がないって言ったら、嘘になっちゃいます……。 どうにかして、メアリさんを説得できなかったのかなって、今でも思っています……」 あかりは、辛辣な表情で胸中を明かす。 最愛の人を取り戻すために、殺し合いに乗ると宣言したメアリ――。 彼女の説得が叶わなかったこと、他の参加者を害するかもしれない彼女をそのまま行かせてしまったことに、後悔の念を抱いていた。 「――ですが、メアリ・ハントの意思は固かった……。 これもカタリナ・クラエスへの執着故なのでしょうね」 そんなあかりに対して、琴子は冷静且つ淡々と言葉を紡いでいく。 仮にあの場で、説得を続けていたとしても、邪魔者と見なされ、こちらに牙を剥くのは自明であった。 仮にそうなってしまえば、最悪こちら側の戦力がまた削がれてしまう恐れがあった。 であれば、無用な戦闘を避けるという意味でも、反魔王一味という括りの中で、彼女と共同戦線を張るというところに、着地させたのである。 「岩永さんが、上手く場を収めてくれたっていうのも分かっています。 だけど――」 あかりは、そこで車椅子を押していた手を止めて、立ち止まる。 「……私は怖いです。またメアリさんと対峙することにでもなったらと思うと……。 メアリさんの想いと願いを向き合って、それを打ち砕く覚悟が、私には……」 言い淀むようにしながら、あかりは不安げに顔を俯かせる。 高千穂に、志乃といった、元の世界での友人たち―――。 アンジュに、カタリナといった、この殺し合いの場で出会い、心通わせた仲間たち――。 親しきものを失う痛みと哀しみは、いやでも身に染みているから。 だからこそ、凶行に走るメアリの絶望も、痛切に理解できてしまっている。 故にこそ、彼女とぶつかり、否定することに躊躇いを覚えてしまう。 「―――あかりさん……」 そんなあかりに対し、琴子は振り返り、車椅子を握る彼女の手の上に、自身の手を重ねる。 彼女の手は、今も、死人のように冷たい。 「それでも、私たちは明日が欲しい……。 だから、私も、あなたも、立ち止まるわけにはいかないんです」 俯くあかりに、琴子は真剣な眼差しで語る。 ―――明日が欲しい 先程、琴子に対して告げたその言葉。 同じ言葉を返されて、あかりはハッとした様子で顔を上げて、真っ直ぐな目線を返した。 「……そう、ですね……。ありがとうございます、岩永さん。 私ったら、ちょっと弱気になってしまいました」 「いえ、お気になさらず」 「おーい、二人とも、何ぼさっとしてんのさ! 置いていくよぉ!」 遠くの方で、先行していたドッピオが手を振っている。 どうやら、二人が話し込んでいるうちに、随分と先に進んでしまっていたようだ。 「すいません、ブチャラティさん、今行きます~!!」 あかりは、自身に喝を入れるように頬を叩きながら、気持ちを切り換えて、琴子を乗せた車椅子を走らせた。 少女は歩み続ける。 彼女が信じる明日に、向かって。 明日がどうなるのかは未確定だけれど。 それでも、今は前だけを見つめていく。 ただひたすらに、明日を信じて。 ◇ (―――私の偽名の可能性について、吹き込んでいた……? いやその可能性はないか……) こちらに向かう二人の少女を見定めながら、ドッピオは思考を巡らす。 先程の問答より、琴子は、この会場に自らを『ブローノ・ブチャラティ』と名乗る人物が二人存在することに気付いている可能性がある。 だが、それを悟っていたとしても、どちらが騙っているのかまでは分からないはず。本物のブチャラティについて、「こちらが本物だ」と証言できる存在は、もはやこの会場にはいない。 答え合わせが出来るのは、精々どちらか一方が死亡した後の、主催者による定時放送の時ぐらいだろう。 だとすれば、今この段階で、不和や不信に発展しかねないだけの情報を、わざわざあかりに垂れ込むのはナンセンスだ。 これまでのやり取りから、琴子はそのような軽率な真似を犯すような人間ではないと、ドッピオは判断した。 (まぁ、彼女に確信がない以上、此方としても、本物の『ブチャラティ』として行動し続ければ問題ないか……) 仮にこれから先、ブチャラティと接触したという参加者と遭遇したとしても、自分こそが本物であると言い張れば、問題はない。 ドッピオの主張を偽りと判断できる材料がない以上、それを覆すことは出来ないはずだから。 (だけど、もしも、彼女が明確にこちらの邪魔になりそうなら……その時は――) 岩永琴子を、殺すしかない。 この殺し合いで、自分の立場を危うくする不安要素は、早いうちに摘むべきだから。 そう心に決めて、ドッピオは琴子たちを、迎えるのであった。 ◇ (―――彼に関しては、もう少し様子見としましょうか) あかりと自分を待ち受ける青年の姿を視界に収めながら、琴子は思考する。 現時点で判明しているのは、彼が『ブローノ・ブチャラティ』の名前を騙っているという部分のみ―――。 この会場には、目の前にいる青年と、リュージが出会ったという青年―――二人の「ブチャラティ」を名乗る男が存在しているが、嘘か真実を見抜けるリュージが、「ゲーム開始直後に、ブローノ・ブチャラティと出会った」という情報を、脚色なしに伝えている以上、どちらが偽名を使っているかは明らかである。 だが、それを元に彼を追求したとしても、シラを切られるのが関の山だ。 現状、偽名を騙っている以外に、不審な言動を行っていない以上、下手に踏み込むわけにもいかない。 眼前の青年が、自分たちにとって有害か無害か―――それを判断する時間と材料が必要だ。 故に、琴子は、リュージが遭遇したというアリア、ブチャラティ、キースとの一連の顛末については、登場人物からブチャラティを削除した上で、開示している。 (先程、少し揺さぶりをかけてみたので、私に対しての警戒心も強まっているでしょうね―――何れにせよ慎重に見定めないと……) 相当に用心深い性格をしているのだろう。 『月彦』という事例を使った尋問でも、一瞬だけ動揺の色は垣間見せたものの、その素性を掴ませるようなヘマはしなかった。 恐らく、琴子が人づてに「ブチャラティを名乗るものが二人いる」という情報を掴んでいるという認識は持っているはずだ。 その上で、彼がどのように動くのか――。それを見極めねばならない。 (―――まだまだ、課題は山積みですね……) メアリ・ハントといい、この偽名を騙る青年といい、まだまだ、不安要素、不確定要素は尽きない。 だが、それでも、琴子もまた、あかりと同じく、明日を目指す。 それが、秩序の調停者たる彼女の役割でもあり、 彼女の願いでもあるのだから。 【D-3/夕方/山林地帯/一日目】 【間宮あかり@緋弾のアリアAA】 [状態]:覚醒、白髪化、痛覚が鈍くなっている、体温低下、情報の乖離撹拌(進行度31%)、全身のダメージ(大)、精神疲労(中)、疲労(絶大)、左中指負傷(縦に切断、包帯が巻かれている) [服装]:いつもの武偵校制服(破損・中) [装備]:スターム・ルガー・スーパーレッドホーク@緋弾のアリアAA [道具]:基本支給品一色、不明支給品2つ [思考] 基本:テミスは許してはおけない。アリア先輩たちが心配 0:岩永さん、ブチャラティさんと一緒に遺跡を目指す 1:ヴライ、マロロ、琵琶坂、魔王ベルセリアを警戒。もう誰も死んでほしくない 2:アリア先輩、志乃ちゃんを探す。夾竹桃は警戒。 3:『オスティナートの楽士』と鎧塚みぞれを警戒。 4:もし会えたらカナメさんに、シュカさんの言葉を伝えないと 5:メアリさんと敵対することになったら……。 [備考] ※アニメ第10話、ののかが倒れた直後からの参戦です ※覚醒したことによりシアリーズを大本とする炎の聖隷力及び「風を操る程度の能力」及びシュカの異能『荊棘の女王(クイーンオブソーン)』、そして土属性の魔術を習得しました。 ※情報の乖離撹拌が始まっており。このまま行けば彼女は確実に命を落とします。 【岩永琴子@虚構推理】 [状態]:健康、新たなる決意、無意識下での九郎との死別への恐れ、義足損壊、車椅子搭乗中 [服装]:いつもの服、義眼 [装備]:赤林海月の杖@デュラララ!! [道具]:基本支給品、文房具(消費:小)@ドラゴンクエストビルダーズ2、ランダム支給品1(岩永琴子確認済み) 、ポルナレフの車椅子(ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風) [思考] 基本:このゲームの解決を目指す。 0:あかりさんとブチャラティさんとともに、遺跡を目指す。 1:『ブチャラティ』を騙る青年(ドッピオ)を警戒。 2:魔王と琵琶坂永至、あの二人をどうにかする方法は…… 3:あかりさん、貴方は…… 4:九郎先輩との合流は…… 5:紗季さん…… 6:首輪の解析も必要です、可能ならサンプルが欲しいですが…… 7:オスティナートの楽士から話を聞きたいですね [備考] ※参戦時期は鋼人七瀬事件解決以降です。 ※アリアから彼女が呼ばれた時点までのカリギュラ世界の話を聞きました。 ※この殺し合いに桜川六花が関与している可能性を疑っています。 ただし、現状その可能性は少ないと思っています。 ※リュージからダーウィンズゲームのことを知っている範囲で聞きました。 ※夾竹桃・ビルド・隼人・リュージ・アリアと共に【鬼滅の刃、虚構推理、緋弾のアリア、ドラゴンクエストビルダーズ2、新ゲッターロボ、ダーウィンズゲーム、東方Project、とある魔術の禁書目録、スタンド能力、うたわれるもの、Caligula】の世界観について大まかな情報を共有しました。 ※今の自分を【本物ではない可能性】、また、【被検体とされた人間は自ら望んだ者たちである】と考えています。 ※カタリナとあかりのこれまでの経緯を聞きました。 ※琴子、あかり、ドッピオ、メアリ、竜馬の五人でこれまでの経緯と、生存者についての情報を交換しました。 【ドッピオ(ディアボロ)@ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風】 [状態]:健康、ドッピオの人格が表 [服装]:普段の服装 [装備]:小型小銃@現地調達品 王の首輪@オリジナル [道具]:不明支給品0~1、アップルグミ×3@テイルズオブベルセリア [思考] 基本:生き残る。手段は問わない。 0 :琴子とあかりとともに、遺跡に向かう。 1 :無力な一般人を装いつつ、参加者を利用していく 2 :琴子を警戒。邪魔になりそうなら…… 3 :オシュトルへの首輪提供のため、参加者を殺害してのサンプル回収も視野に入れる 4 :『月彦』を警戒。再合流後も用心は怠らない。偽名を使うだなんてけしからん奴だ 5 :ブチャラティは確実に始末する。 6 :なるべく目立たないように立ち回り、優勝しか手段が無くなっても構わないよう、殺せる者は密かに殺していく。 7 :自分の正体を知ろうとする者は排除する。 8 :ゲッターロボ、もしもあのままランクを上げ続けてたら...ゾオ~ッ 9 :グミは複数あるけど内緒にしておこう。 10 :もし認識がスタンドに影響を及ぼすならば……? [備考] ※参戦時期はアバッキオ殺害後です。 ※偽名として『ブローノ・ブチャラティ』を名乗っています。 ※オシュトルからうたわれ世界の成り立ちについて、聞かされました。 ※アップルグミの回復は健在ですが欠損や毒などは回復しません。 また3つあることは伝えていません。 ※早苗、霊夢、カナメ、竜馬と情報交換してます。 ※琴子、あかり、ドッピオ、メアリ、竜馬の五人でこれまでの経緯と、生存者についての情報を交換しました。 前話 次話 明日の方舟たち(ArkNights)-「終幕」或いは「序章」- 投下順 たとえようのないこの想いを 前話 キャラクター 次話 明日の方舟たち(ArkNights)-「終幕」或いは「序章」- 岩永琴子 Dread Answer 明日の方舟たち(ArkNights)-「終幕」或いは「序章」- 間宮あかり Dread Answer 明日の方舟たち(ArkNights)-「終幕」或いは「序章」- メアリ・ハント 魔獣戦線 ー黙示録の始まりー 明日の方舟たち(ArkNights)-「終幕」或いは「序章」- 流竜馬 魔獣戦線 ー黙示録の始まりー 明日の方舟たち(ArkNights)-「終幕」或いは「序章」- ディアボロ Dread Answer
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/886.html
ブランド アトリエさくら #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (000.jpg) ジャンル アドベンチャー 原画 かれー シナリオ こおろぎアトリエ 発売日 2023/6/30 価格 2,800円(税別) 選評 【2023】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 避難所 2本目 https //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58331/1689050256/ 19:背徳の強制種付け 選評:2023/07/16(日) 16 06 42 ID EGoKExGc タイトル 背徳の強制種付け ~愛する妻の子宮(なか)に注ぎ込まれる他の男の精液 発売日 2023年 6月30日(金) 定価 3,080円(税込本体価格) ジャンル アドベンチャー 原画 かれー シナリオ こおろぎアトリエ ■ストーリー 勇人が大学生だったある時、街中で迷子になっていた見目麗しい女性を丁寧に助けてあげた。 その優しさに惹かれた相手の女性・宝生琴子は勇人に一目惚れをし、 彼女の熱烈な愛に導かれるままにふたりはゴールインした。 だが、その結婚はふたりにとっては辛い日々の始まりでもある 実は琴子は多数の事業を成功させる上流階級の宝生家の一人娘であり、 本来なら親が決めた一流企業の婚約者と結ばれるはずだったのだ。 琴子の強い想いがふたりを繋ぎ止めているものの、 宝生家はふたりの愛に辛く当たり、離婚を強いようとするばかり。 希望があるとすれば子宝だけ。 子孫さえ残せばかろうじて許せると宝生家は妊活を求める。 ふたりは懸命に妊活を試みるも、勇人の精子に問題がありふたりの子作りでは妊娠しづらいことが発覚。 絶望の最中……勇人は初めて琴子を連れて実家の幾島家へ帰宅する 勇人の妊活事情を知った家族――父親の伊佐緒は、 ある悪巧みを思いつくと聡明な琴子に精子提供を呼びかける。 わらにもすがる思いの琴子は散々悩み、拒否もした。 だが愛する夫の時間を守るためなら琴子の覚悟は早かった そして、お嬢様である琴子と幾島家による 精子提供という名の不倫セックスが始まるのだった…… ■登場キャラクター ●宝生 琴子 (CV:木崎彩音) 主人公・勇人の妻。 多数大企業を手がける宝生一族の一人娘。 大学生時代に街中で困っているところを勇人に助けてもらいそこで一目惚れをする。 彼女の猛アタックにより身分差がありながらも交際、結婚へと至った。 家族や友人等に勇人を悪く言われても決して揺るがない強い愛情を持っている。 身分差の恋も絶対に乗り越えられると信じて止まない。 現在、勇人と子作りに励んでいる。 ●幾島 伊佐緒 勇人の父親。 自称・パチプロの無職であり妻のヒモ。 勇人が反面教師となって真面目に育つほど、彼は堕落した生活と人間力で周囲を困らせる。 見た目からは想像もつかないテクを持ち、妻を依存させ、ヒモとしての生活を体現している。 ●宝生 勇人 主人公。 琴子の婿養子である男性。 ダメ人間ばかりの幾島家で生まれたとは思えない真面目で謙虚な性格の持ち主。 琴子に猛アタックされて結婚に至ったが、彼はもろに身分差恋愛の現実に痛めつけられている。 宝生家から日々辛辣に扱われているが、それでもめげずに愛する妻と子宝に恵まれる未来を夢見る。 問題点 一般的に低価格帯のエロゲというのは エロを描く為にシナリオが削られているか 良いシナリオのためにエロは少し薄めだったりする 要はエロとシナリオどちらかのボリュームを増やすためにもう片方のボリュームが減らされているものだ では本作はというと ゲームを開始してすぐにいつもの回想に入り数クリックで馴れ初めを語り その流れで「琴子との初の性行為で処女を貰ってしまった」の一文でいつものアトリエさくらにあった開幕処女喪失エロシーンを省略する 一日中セックスするシーンではCGもなく、数クリックで終わる 今までアトリエさくら作品でもよく言われていた 主人公とヒロインとの関係を冒頭の数クリックで語って初夜に移る為に プレイヤーにはヒロインが妻(恋人)に思えないという問題点が見事に悪化している NTRモノを描くのにこれ以上さらにプレイヤーとヒロインの距離を遠くしてどうするつもりなのか そして抜きゲーからエロを省いてまで作られた内容は 改善の兆しが見られる、はずもなく 主人公の実家にて夜中主人公がトイレに行っている隙をついて 琴子に対し主人公父が子供ができないとマズいんだろと精子提供(不倫)を提案するシーンでは 一応葛藤するものの10クリック程で受け入れる即断即決ぶり その場でフェラ→セックスとなるのだが フェラを終えた時点での背景が明らかに朝を迎えている それからセックスを終え、主人公が戻ってくる頃にはまた夜になっている + ... imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (001.jpg) imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (002.jpg) 恐らく電気がついている背景差分が無かったため昼間の背景を使用したためにこのようなシュールなことになっている それとも丸一日ヤっていて、主人公も丸一日トイレに籠っていたのだろうか 間男である主人公の父親にしても支離滅裂な行動を連発しており 速攻で主人公の弟に浮気をばらし、中盤にあっさりと主人公に浮気をばらすなど なにがしたいのかがよくわからない プレイヤーとしてはNTRモノの間男に抱く感情というよりも この爺さん認知症でも患っているのかなと感じた その他 個人的に本作の一番の特徴は間男がよぼよぼの主人公の父親だと思うのだが CGではムキムキでいつものアトリエさくらの間男であった スマフォ派 + ... imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (003.jpg) imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (004.jpg) まとめ 抜きゲーであること、NTRモノであること、間男が主人公の父親であること ここを伸ばせばロープラにしてはいい作品になるところを全て蔑ろにした作品 義務感だけで作られているのが分かってしまう 背景の矛盾や誤字の多さなど 制作側の情熱のなさが透けて見えるクオリティで 怒りや萎えよりも、「そんなにやりたくないならエロゲ作らなくていいよ」というため息しか出ない
https://w.atwiki.jp/tokimeki_dictionary/pages/1344.html
Tea stall 茶店【ちゃみせ】 『2』の1年目と2年目の文化祭で茶道部が発表する出し物。 主人公が茶道部に所属している出展側では「適当にやるか」、運動部他に所属している見学側では「手抜きだな」という感想。 基本的にはお茶とお茶菓子だけを用意して、あとはお客にお任せ…という流れの模様。 それでもゆっくりくつろげるからなのか、ほとんどの女性キャラに好評で悪印象になるキャラはいない。 水無月琴子と3年目に同じクラスになり、 彼女のときめき度が高い時にはクラスの出し物として茶店を提案してくるが、 琴子の思惑とは大きく違ってしまい、彼女が苦手にしているカレーとコーヒーがメインの喫茶店になってしまう。 追加デートの場所としても茶店が登場する。 ここに行く事があるのは琴子と赤井ほむら、伊集院メイの3人。 和風命の琴子や全ての追加デート先に行けるほむらはともかく、メイの追加デートはほとんどの場合がここというのは少々意外である。 例によって主人公を庶民呼ばわりしそうなものだが、抹茶と団子がいたくお気に召したようである。 関連項目 文化祭 茶道部 追加デート ひめ椿屋